2016年から定期的にお伝えしているシャネルのJ12のH0970。
このモデルは“ホワイトセラミック”のメンズサイズ自動巻モデルであるわけですが、2003年のデビュー時から大注目となっていた経緯があります。
J12は、シャネル初の「男性向けでもある製品」ということが話題になっていたわけですが、当初は黒のみの展開。それだけでも、それなりに話題が高かったわけですが、そのホワイトセラミック版となると、他の高級腕時計にはない価値感だったため、大注目となったのだと思います。
そういった経緯があるため、H0970は、2010年といった中古腕時計相場が全体的に安い時期でも30万円以上という水準をキープしていました。
2010年頃の中古相場は、ロレックスエクスプローラー14270が22万円程度、オメガスピードマスター3570.50が15万円程度といった状態だったわけですが、そういった時期にこのH0970は30万円以上という価格帯だったわけです。(現在、14270は約75万円、3570.50は約49万円)
しかしながら、そんなH0970は2016年12月に下落。当時は下落トレンドがあったわけですが、その影響もあって約23万円となっていたのです。
その後H0970は回復し、2017年12月には約28万円になっていたものの、2019年1月には再び約23万円に下落しています。
2019年1月といえば、上昇トレンド真っ只中で、「値下がり」となるモデルはあまり見かけなかった時期。そういった最中、H0970は“謎の値下がり”をしたわけですから、ホワイトセラミックは元気が無いといった感覚がありました。
ただ、2021年6月になるとH0970は約29万円にまで回復。これは、「3年半ぶりの20万円台後半」という水準だったわけですが、それでも2010年の30万円以上という相場には届いていませんでした。
このような経緯があるH0970ですが、今、なんと中古ボトム価格(ABランク以上)が約33万円となっているのです。
これは、H0970としては久々の30万円台であると同時に、2010年8月水準を上回ったということでもあるわけで、「J12、久々の値上がり」といえる重要な出来事だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年6月 の安値 |
2023年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
シャネル
J12 H0970 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥296,780 | ¥338,000 | 41,220 | 113.89% |
このJ12のH0970は、2010年8月に約32万円という状態だったわけですが、2015年以降、それよりも安価という状態が長らく続いていました。
それが今回、久々に2010年8月水準を上回ったとなっているわけです。
この凄さは、J12の値動きを追っていないと分からないと思いますので、以下にこれまで記事でお伝えしたJ12のH0970相場を記載しておきます。