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現在相場考察

久々に2010年8月水準を上回った、シャネルJ12 H0970

2023年6月30日更新
シャネルのJ12H0970について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年6月の安値と2023年6月の安値を比較し現在相場を考察。この2年0ヶ月での変動は4万1220円の値上がりだった。

J12 H0970についての考察(2023年6月)

2016年から定期的にお伝えしているシャネルJ12H0970

このモデルは“ホワイトセラミック”のメンズサイズ自動巻モデルであるわけですが、2003年のデビュー時から大注目となっていた経緯があります。

J12は、シャネル初の「男性向けでもある製品」ということが話題になっていたわけですが、当初は黒のみの展開。それだけでも、それなりに話題が高かったわけですが、そのホワイトセラミック版となると、他の高級腕時計にはない価値感だったため、大注目となったのだと思います。

そういった経緯があるため、H0970は、2010年といった中古腕時計相場が全体的に安い時期でも30万円以上という水準をキープしていました。

2010年頃の中古相場は、ロレックスエクスプローラー1427022万円程度オメガスピードマスター3570.5015万円程度といった状態だったわけですが、そういった時期にこのH097030万円以上という価格帯だったわけです。(現在、14270は約75万円、3570.50は約49万円)

しかしながら、そんなH0970は2016年12月に下落。当時は下落トレンドがあったわけですが、その影響もあって約23万円となっていたのです。

その後H0970は回復し、2017年12月には約28万円になっていたものの、2019年1月には再び約23万円に下落しています。

2019年1月といえば、上昇トレンド真っ只中で、「値下がり」となるモデルはあまり見かけなかった時期。そういった最中、H0970“謎の値下がり”をしたわけですから、ホワイトセラミックは元気が無いといった感覚がありました。

ただ、2021年6月になるとH0970約29万円にまで回復。これは、「3年半ぶりの20万円台後半」という水準だったわけですが、それでも2010年の30万円以上という相場には届いていませんでした。

このような経緯があるH0970ですが、今、なんと中古ボトム価格(ABランク以上)が約33万円となっているのです。

これは、H0970としては久々の30万円台であると同時に、2010年8月水準を上回ったということでもあるわけで、J12、久々の値上がり」といえる重要な出来事だといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

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シャネル J12 38mm H0970 ホワイトセラミック 新型バックル 仕上済

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年6月
の安値
2023年6月
の安値
変動額 残価率
シャネル
J12
H0970
中古 2年
0ヶ月
¥296,780 ¥338,000 41,220 113.89%

このJ12H0970は、2010年8月に約32万円という状態だったわけですが、2015年以降、それよりも安価という状態が長らく続いていました。

それが今回、久々に2010年8月水準を上回ったとなっているわけです。

この凄さは、J12の値動きを追っていないと分からないと思いますので、以下にこれまで記事でお伝えしたJ12H0970相場を記載しておきます。

  • 2010年8月の安値  ¥328,000
  • 2016年12月の安値 ¥235,440
  • 2017年6月の安値  ¥269,001
  • 2017年12月の安値 ¥289,440
  • 2019年1月の安値  ¥239,760
  • 2021年6月の安値  ¥296,780
  • 2023年6月の安値  ¥338,000
  • この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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