5060Aといえばまさしく1997年デビューしたアクアノートの元祖。アクアノートといえば、ミディアムサイズとラージサイズが存在するイメージですが、当初はミディアムサイズしかありませんし、裏スケ仕様でもなければ、ブレスレット仕様もありません。アクアノートのイメージとしておなじみの『裏スケ+ブレスレット』仕様が出たのは翌年1998年のこと。その際、このモデルはは5066へとバトンタッチされたため、元祖モデルの5060は約1年しか製造されていない超短命モデルなのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年1月 の安値(ヤフオク) |
2016年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5060A |
中古 | 7年 8ヶ月 |
¥698,000 | ¥1,275,000 | 577,000 | 182.66% |
元祖+短命という内容はロレックスであれば、値段が高くなる要素そのもの。
例えば短命のエクスプローラ2、16550はかなりの高値。シングルロック+5桁リファレンス時代の16570と似たようなデザインという内容は、アンティークというよりちょっと古めの近代的なモデルといった印象で、本来どちらかというと不人気となりそうな時計なはずなのですが高値なのです。つまり、ロレックスの場合は希少性そのものが1つの価値と認識されるということ。
それに対して、アクアノートの元祖かつ1年しか製造されていない5060は、アクアノートの自動巻モデルの中で最安という水準です。
2000年代前半であれば、アクアノート自体が人気のあるモデルではなかったため、5060がアクアノートの中で安めというのも納得できます。
しかし、現在ではアクアノートはノーチラスと並んで世界的に人気かつ憧れられる対象の腕時計。
そしてその元祖となれば、5066よりも高く評価されて良いだろうに安値なのです。
最近のアクアノートの相場は、5065/1Aの200万円近いという相場の印象から、どれもそれぐらいするという感覚ですが、この5060Aなら120万円台で購入可能。
アクアノートの相場変遷は、
という感覚なのですが、5060Aの相場を見ると上記とはだいぶずれていることがわかります。
前ページの相場の通り、過去から現在にかけてかなりの値上がりをしたとはいえ、2009年の60万円台という安値はかなりのびっくり価格。
アクアノートが60万円台というのは2000年代前半で終わったことかと思いきや、そのチャンスの“2度目”が存在していたのです。
よって、60万円台でアクアノートが買えるなら買っておけば良かったと、当時の相場を見過ごしていたことを後悔するのと同時に、まだまだ安いとも感じるのです。
つまり、約60万円近い値上がり額は確かにすごい額ですが、アクアノートという時計の知名度とイメージ、そして元祖+短命という内容はロレックスであれば当然値上がりする要素なはず。
よって、パテックフィリップにもロレックスと同様の文化が持ち込まれることは容易に想像でき、この5060Aが将来的に「希少なモデル」として多くの人が価値を感じる日が来るのではないかと考えています。