2000年代中盤に出たロレックス116世代が「変わり種」的な要素てんこ盛りだったのと同様、同じ時期に出たパテックフィリップにもそういった要素を見ることができます。
この5296G-001も変わり種的見た目が採用されたモデルだといえるのですが、パテックフィリップの場合、「実は過去モデルにあったデザインの復刻」という点があるのが粋なところ。
この5296G-001は、1930年代に存在したカラトラバの引用だといえます。
ただ、そうはいっても現行品として出ていた時期は「パテックフィリップらしくない」1本に見えてしまい、中古相場は比較的安価だったといえます。
しかし、2018年頃から5296G-001は評価されるようになり、そこから今にかけてじわじわと上昇。
そして、2021年には特に目立った変動を見せ、一気に高くなったといえます。
最初に5296G-001をお伝えした2017年8月時点では約194万円だったのが、2021年9月には328万円となっていたのです。
そんな5296G-001でありますが、現在水準はどうなっているかというと、約362万円という様子。
2021年9月水準に対して約34万円の上昇というように、しっかりと値動きしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年9月 の安値 |
2023年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 5296G-001 |
中古 | 1年 11ヶ月 |
¥3,280,000 | ¥3,622,500 | 342,500 | 110.44% |
近頃は、2022年に起こった急上昇後の下落によって、2021年9月水準割れというモデルが珍しくありません。
実際、ノーチラスの一部は、現在2021年春水準並といった様子が見られます。
しかし、同じパテックフィリップでも、カラトラバの5296G-001については、2021年9月水準との比較でも値上がり状態。また、その時期、この5296G-001は「前代未聞の急上昇」となっていため、そこからの上昇ということは、優秀だと思うわけです。
ただ、5296Gについては、この5296G-001だけが上昇しているわけではなく、5296G-010のほうも上昇中。
5296G-010は、往年のカラトラバらしい“シンプルなデザイン”が採用されていますが、現在相場は5296G-001よりも5296G-010のほうが高い状態となっています。
そういった意味で、5296G-001は「変わり種」的な要素が評価されているわけではなく、5296G全体が上昇していることに伴う値動きだといえます。