日本で腕時計ブームといわれていた2000年頃といった時期、ドンキホーテなど身近な場所に並行輸入の新品高級腕時計が売られていました。
そのラインナップは「ロレックス・オメガ・カルティエ・ブルガリ」といったところで、価格帯はおおよそ30万円前後といったところ。
カルティエの価格帯は20万円台が多かったといえます。
しかしながら、そういったカルティエとは別に、一部の時計店でしか扱われていない、特別感のあるモデルが存在しました。
それが、「コレクションプリヴェカルティエパリ」、通称CPCPに該当するモデルであるわけですが、これは1998年から2008年までの10年間ラインナップされていたコレクションであります。
CPCPをあえて分かりやすくいうならば「カルティエが作ったパテック」といったところ。パテックフィリップ的な上質感の中に、カルティエらしさがあるというのが最大の魅力だといえます。
そんなCPCPの中で、筆者はタンクアビスが好きで、前に記事でも何度か取り上げています。
今回取り上げるのは、タンクアビスのW1534251でありますが、前回取り上げた2017年4月時点では約100万円で購入することが可能でした。
これは、2タイムゾーンを1つの竜頭で操作できるというコンプリケーションモデル。当初のCPCPはフレデリックピゲやピアジェベースのムーブメントを使うことが多かったのですが、2002年に出たこのタンクアビスは、9902MCという自社製ムーブメントを搭載しています。
そういった内容であるCPCPのW1534251ですが、現在水準はどうなっているかというと、なんと約316万円。
2017年4月と比較して、約216万円もの値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値 |
2023年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
タンク アビス (CPCP) W1534251 |
中古 | 6年 4ヶ月 |
¥1,007,400 | ¥3,168,000 | 2,160,600 | 314.47% |
近頃、サントスガルベやパシャなどが値動きするようになってきたカルティエですが、このW1534251の上昇率は、かなり高いほうだといえます。
特に値動きしたカルティエとしては、サントスガルベのW20067D6やタンクバスキュラントのW1011358がありますが、前者は2020年6月⇒2022年8月での残価率が約342%。後者は、2019年3月⇒2022年10月の残価率が約536%といったところであります。
それに対して、タンクアビスは2017年4月⇒2023年8月現在で約314%という残価率。大幅上昇カルティエの代表的なモデルの1つになったといえます。