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現在相場考察

70万円台となっている、ルミノールマリーナPAM00056

2023年8月25日更新
オフィチーネパネライのルミノールPAM00056について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年1月の安値と2023年8月の安値を比較し現在相場を考察。この6年7ヶ月での変動は11万585円の値上がりだった。

ルミノールマリーナ PAM00056についての考察(2023年8月)

パネライの手巻きモデルは、黒文字盤と白文字盤のSSを基本として、それにPVDといったイレギュラーモデルを投入する傾向があります。

けれども、PVDモデルは2000年からチタンに変更。それゆえ、2002年頃、パネライが大ブームとなった際は、PVDの中古相場が非常に高かったといえます。

その一方で2002年頃、チタンといったイレギュラーモデルへの評価は低く、“SS黒文字盤のルミノールベース”が入手困難な一方で、チタンのルミノールマリーナ(PAM00061)は定価以下で容易に入手可能だったわけです。

実際、筆者は2002年当時、本当は“SS黒文字盤(2番や112番)”を欲しいと思いながら、61番を約37万円で購入したわけで、経験からもチタン人気は低かったと知っています。

しかし、2010年代になると、それらチタンモデルの中古相場が上昇。筆者がかつて“安い”という理由で買った61番は、2015年頃になると2番や112番よりも高値となっていたわけです。

61番といったチタンモデルへの評価が高まったのは、おそらく「焦げ茶文字盤」だからでしょう。チタンモデルは“非・裏スケ世代”では焦げ茶文字盤が採用されていたものの、その後の“裏スケ世代”ではSSと同様の黒文字盤に変更。そうなると、焦げ茶文字盤への評価が高まったのだと思います。

これは、2002年当時人気がなかった69番(青文字盤)が後に50番よりも高くなったのと同じことだといえます。

そんな焦げ茶文字盤世代のチタンモデルでありますが、中でも最も高値といえるのが、そのレフティモデル

パネライは、2針のベース、3針のマリーナ、イレギュラーモデルとしてレフティを用意する傾向がありますが、レフティは高い傾向があります。

そして、2001年まで製造されていた“非・裏スケ世代”のチタンレフティである、このPAM00056は、2017年1月時点でも約60万円という価格帯。当時、61番が約49万円でも“高い”という感覚だったことからすると、レフティは“特に高い”といえたわけです。

さて、そんなレフティチタンの56番でありますが、現在水準はどうなっているかというと、その答えは約72万円

2017年に60万円台だったのが、今では70万円台となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年1月
の安値
2023年8月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ
PAM00056
中古 6年
7ヶ月
¥609,900 ¥720,485 110,585 118.13%

2017年以降、この56番といった世代のパネライが「値動きしない」、もしくは「値下がり」という傾向があったといえます。

そういったことは、近頃まで続いていたといえるのですが、2023年になってから、上昇する事例が増え、先日の記事でもお伝えしたように、3番などは50万円台といった水準になっています(3番は長らく30万円台だった)。

そして、この56番もまた現在水準が約72万円というように、きちんと上昇しているわけで、2000年代前半頃までのパネライがこのところ全体的に高くなっている、ということを改めて感じる次第です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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