腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

デビューしたての新品価格より6年落ちの中古が高い、ロレックスサブマリーナデイト116610LN

2016年10月7日更新
ロレックスのサブマリーナー116610LNについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年9月の安値(ヤフオク)と2016年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年1ヶ月での変動は10万4000円の値上がりだった。

サブマリーナ 116610LNについての考察(2016年10月)

2010年に新型となったサブマリーナデイト。ぱっと見た感じの見た目はそれまでの16610に似ていますがリファレンスはひと目で異なるとわかります。5桁リファレンスの頃だとリファレンスの末尾にアルファベットつくのは通称「緑サブ」の“LV”のイメージ。しかし、通常の黒文字盤にもなぜアルファベットが付くかというと、この頃よりベゼルの色を表すアルファベットがリファレンスの末尾に付くことになったのです。ということでLNとは「黒ベゼル」であることを表しているということ。

2010年ごろの16610の相場というと中古が30万円を切るぐらいの価格だったため、新品といえど約2倍もする新型に対して割高という印象を持った方も多いでしょう。しかし、その頃割高と思ったとしても買った人は正解でした。まして新品で買っても値上がりです。

ロレックス サブマリーナー 116610LN¥1,609,890〜¥2,780,000(2024年12月3日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年9月
の安値(ヤフオク)
2016年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナ
116610LN
新品 4年
1ヶ月
¥598,000 ¥702,000 104,000 117.39%

通常、新しく出たロレックスデビューした頃が最も高い相場で、その後徐々に落ち着いてくるというのは時計ファンにとっては有名なことでしょう。

また、先の通り116600LNが出た当時の旧モデル16610の相場はこれの約半額だったため、新型になったら急に高くなった=デビューしたてで高いからそのうち安くなるだろうという思考になると思います。

しかし、その6年後の相場はどうかというと、デビューしたての新品価格より6年落ちの中古価格のほうが高いという現象

これぞまさに、常識が覆ったという事例です。

また、値上がりしたのは116610LNだけでなく、旧モデルの16610も値上がり。実はその頃新型は高いから安い旧型を買おう、と思った方も正解だったのです。

サブマリーナデイトというと近所のドンキホーテでも売っている、電車に乗るとしている人を1人は見かける、という例が自然なように、かなり流通量が多い高級腕時計の代名詞。

これだけ流通量が多い時計の値上がりを誰が予測できたでしょうか。

ちなみに、ロレックスすべてが急激に値上がりしたというわけでもなく、ミルガウスのグリーンガラス116400GVなどは2010年8月と現在で似たような相場です。

サブマリーナの値上がりを作り出したのは、この116610LVのデビューが最も大きな理由でしょう。サブマリーナというロレックスの強いモデルの約20年ぶりのフルモデルチェンジは、過去現在モデルすべてを値上がりさせるほど強力なパワーだったのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。