腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

現在でも30万円台で購入可能、モナコCS2111

2023年10月26日更新
タグホイヤーのモナコCS2111について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年7月の安値と2023年10月の安値を比較し現在相場を考察。この5年3ヶ月での変動は¥99,800だった。

モナコ CS2111についての考察(2023年10月)

タグホイヤーがLVMHグループ入りしたのは1999年でありますが、その影響がラインナップに色濃く反映されたのが2002年以降だといえます。

LVMH前のタグホイヤーは、S/elや6000といった「防水スポーツタイプ」のモデルがラインナップの中心で、クォーツも積極的に採用。その最後のモデルがキリウムだったといえます。

それに対して2002年以降のタグホイヤーは、ラインナップの中心がカレラモナコに変化。また、1997年に出たばかりのキリウムは2005年頃までにシリーズ廃止となっています。

そしてLVMH前まで、カレラモナコは、「復刻版」といった役割。カタログの掲載位置も最後の方で「ひっそりと売られていた」といえます。

ただ、その時代のカレラモナコは、メインモデルという扱いでなかったゆえ、目の肥えた時計ファン目線では「ぐっとくる内容」だったといえます。

そして、2018年頃からLVMH前の「復刻版」世代の中古相場が上昇。2017年頃まで10万円台で売られていたカレラは、今では50万円以上となっているのです。

しかしながら、同じ世代でもモナコの評価はカレラほどとはなっておらず、現在でも、30万円台という様子。

もちろん、2018年頃よりは評価されているわけですが、かつて同じ価格帯だったカレラと比べると、あまり評価されていないという印象になるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
TAG HEUER タグホイヤー モナコ クロノ復刻 CS2111.FC8119 自動巻き SS/革 メンズ【430】2148103581908

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年7月
の安値
2023年10月
の安値
変動額 残価率
タグホイヤー
モナコ
CS2111
中古 5年
3ヶ月
¥228,000 ¥327,800 99,800 143.77%

LVMH前の時代、モナコが「復刻版」という扱いだった頃に出たモデルには、CS2110CS2111という2つがあります。

CS2110は1998年に5000本の限定としてデビュー。CS21112000年に限定なしで出た経緯があります。

2017年頃まで、復刻世代のカレラモナコはともに10万円台という水準だったわけですが、その頃は、モナコのほうが高値。CS21105000本限定だったため、レアという印象があったのだと思います。

しかし、今となってはカレラ50万円以上となっているのに対し、同じ世代のモナコ30万円台。なぜ、こういった差になったのかというと、オリジナル版への忠実度が影響していると感じます。

復刻世代のカレラ(1996年デビュー)は、1964年版に忠実である一方、同世代のモナコには黒文字盤が採用。オリジナルモナコといえば、青文字盤の印象が強いですが、CS2110CS2111ともに黒文字盤となっているのです。

そして、最もオリジナルに忠実なモナコといえば、2010年代になってから登場したCAW211P.FC6356。

こちらは、長らく30万円台となっていたものの、現在では60万円台という価格帯に変化。モナコとしては最も値動きしている印象があります。

このCS2111といったLVMH前の「復刻版」時代のモナコは、これはこれで魅力的であるものの、現在の評価軸としては「オリジナルに忠実」という要素が重要なのでしょう。

そのため、CS2110CS2111は、現在でも30万円台で購入可能という状態なのだと思います。

ちなみに、中古市場ではなぜだか限定版でないほうのCS2111のほうが出現数が少なく、2021年以降、CS2111は、年に1本出るかどうかといったぐらいの頻度となっています。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。