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現在相場考察

30万円台という中古相場に到達、パシャC W31048M7

2023年11月9日更新
カルティエのパシャCW31048M7について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年2月の安値と2023年11月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は¥46,200だった。

パシャC W31048M7についての考察(2023年11月)

2021年から上昇傾向が見られるようになったパシャC。3針モデルは、リーマンショック以降、長らく15万円前後という状態が見られましたが、2021年からは20万円以上に返り咲きという様子が見られます。

ただ、同じパシャCといっても、クロノグラフモデルについては3針よりも高値

パシャCのクロノグラフには、1999年頃までラインナップされていた白文字盤(W31039M7)と、2000年頃にデビューした銀文字盤(W31048M7)があるのですが、いずれも3針と比べて『だいぶ高い』という価格帯に位置してます。

それは、中古相場に限らず、2000年頃の新品実勢価格をもってしても同じ。2001年1月における3針パシャCの新品実勢価格は、税込約29万円でしたが、クロノグラフとなると税込約39万円もしたのです。

当時の約39万円という新品実勢価格では、何が購入可能だったかというと、1660014270116520以外のSSスポーツロレックスが狙えたわけです。

つまり、2001年1月時点では、GMTマスター216710も、サブマリーナの16610もこのパシャCクロノグラフより安価で購入可能。いかに、パシャCクロノグラフが“新品当時そこそこ高いモデル”だったかがお分かりいただけたかと思います。

しかし、そんなパシャCクロノグラフは、2016年年頃の中古相場が約15万円といった状態。リーマンショック後に、パシャCは安価となっていたわけですが、その影響をクロノグラフのほうが受けた結果、2010年代中盤には3針と同じような価格帯になってしまっていたのです。

ただ、かつてのクロノグラフ相場からすると、3針パシャCと同水準というのは安すぎたため、2019年3月時点で、このW31048M720万円台に回復といった状態が見られました。

その時点でW31048M7約21万円という状態だったのですが、2021年2月には再び上昇。その頃、約26万円となっており、再び“3針よりも高値”という状態を取り戻したわけです。

そして現在、このW31048M7約30万円という状態(ABランク以上のボトム価格)になっており、ついに30万円台という中古相場に到達したのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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カルティエ Cartier パシャC クロノグラフ W31048M7 ボーイズ 腕時計 デイト シルバー 文字盤 オートマ 自動巻き ウォッチ PashaC 90208731

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年2月
の安値
2023年11月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャC
W31048M7
中古 2年
9ヶ月
¥261,800 ¥308,000 46,200 117.65%

2016年から2018年頃まで15万円程度といった予算で狙うことができたW31048M7ですが、現在水準は約30万円。もしも約15万円で買っていたならば、2倍になるという体験ができたということになります。

2018年頃まで、このW31048M7を紹介した際、あまり「伸びる」という雰囲気がなかったといえますが、それから5年という期間を経て、W31048M730万円台に上昇。

あまり期待できないと感じたとしても、この時計が好きという方がいたならば、買って正解だったという事例だと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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