2021年から上昇傾向が見られるようになったパシャC。3針モデルは、リーマンショック以降、長らく15万円前後という状態が見られましたが、2021年からは20万円以上に返り咲きという様子が見られます。
ただ、同じパシャCといっても、クロノグラフモデルについては3針よりも高値。
パシャCのクロノグラフには、1999年頃までラインナップされていた白文字盤(W31039M7)と、2000年頃にデビューした銀文字盤(W31048M7)があるのですが、いずれも3針と比べて『だいぶ高い』という価格帯に位置してます。
それは、中古相場に限らず、2000年頃の新品実勢価格をもってしても同じ。2001年1月における3針パシャCの新品実勢価格は、税込約29万円でしたが、クロノグラフとなると税込約39万円もしたのです。
当時の約39万円という新品実勢価格では、何が購入可能だったかというと、16600、14270、116520以外のSSスポーツロレックスが狙えたわけです。
つまり、2001年1月時点では、GMTマスター2の16710も、サブマリーナの16610もこのパシャCクロノグラフより安価で購入可能。いかに、パシャCクロノグラフが“新品当時そこそこ高いモデル”だったかがお分かりいただけたかと思います。
しかし、そんなパシャCクロノグラフは、2016年年頃の中古相場が約15万円といった状態。リーマンショック後に、パシャCは安価となっていたわけですが、その影響をクロノグラフのほうが受けた結果、2010年代中盤には3針と同じような価格帯になってしまっていたのです。
ただ、かつてのクロノグラフ相場からすると、3針パシャCと同水準というのは安すぎたため、2019年3月時点で、このW31048M7は20万円台に回復といった状態が見られました。
その時点でW31048M7は約21万円という状態だったのですが、2021年2月には再び上昇。その頃、約26万円となっており、再び“3針よりも高値”という状態を取り戻したわけです。
そして現在、このW31048M7は約30万円という状態(ABランク以上のボトム価格)になっており、ついに30万円台という中古相場に到達したのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年2月 の安値 |
2023年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャC W31048M7 |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥261,800 | ¥308,000 | 46,200 | 117.65% |
2016年から2018年頃まで15万円程度といった予算で狙うことができたW31048M7ですが、現在水準は約30万円。もしも約15万円で買っていたならば、2倍になるという体験ができたということになります。
2018年頃まで、このW31048M7を紹介した際、あまり「伸びる」という雰囲気がなかったといえますが、それから5年という期間を経て、W31048M7は30万円台に上昇。
あまり期待できないと感じたとしても、この時計が好きという方がいたならば、買って正解だったという事例だと思います。