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現在相場考察

ディープシー的な存在、オフィチーネパネライサブマーシブル1000mPAM00087

2016年10月12日更新
オフィチーネパネライのサブマーシブルPAM00087について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年8月の安値(ヤフオク)と2016年3月の安値(ヤフオク)を比較し現在相場を考察。この6年7ヶ月での変動は¥74,250だった。

サブマーシブル 1000m PAM00087についての考察(2016年3月)

通常の300m防水に対して1000m。この特殊なサブマーシブルは、「いかにも防水を強化した」というようなその見た目からシードゥエラーディープシーとキャクターが似たパネライです。

1000mという防水性能は一見すごいようにも見えますが、5桁時代シードゥエラー1220mという防水性能にも負けています。ディープシーはそれ対して3900mですからPAM00087の防水性能よりだいぶ上です。

しかし、実際の防水性能よりも「特殊なモデル」という強いイメージがあるためこの時計は比較的値上がり傾向なのです。

オフィチーネパネライ ルミノール 44mm PAM00087¥845,900〜¥1,077,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年8月
の安値(ヤフオク)
2016年3月
の安値(ヤフオク)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
サブマーシブル
1000m
PAM00087
中古 6年
7ヶ月
¥435,750 ¥510,000 74,250 117.04%

1000mという防水性能自体は、この時計が現行だった2001年当時でもそんなにすごいものではありません。

2000m防水というポルシェデザインオーシャン2000はもちろんのこと、前途のシードゥエラーだって1220m防水

しかし、それらと大きく違うのは、通常のサブマーシブルのディティールを残しながら、ケースや風防を分厚く表現し、いかにも「防水性能を高めた特殊モデル」として売った点。

最初に出たのは2000年でその際出たのは黒文字盤のPAM00064。その1年後に出たのがこの青文字盤なのですが、通常のサブマーシブルに対して「特殊」という印象を持たせるためには青文字盤というほうがキャラクターに合っていると思います。

この青文字盤、なんともディープシーのDブルー文字盤のような印象すら覚えるのですが、2001年に登場と以外にも結構パネライにしては古いモデル。

また、パネライの腕時計で珍しく文字盤にトリチウムを示す「T」が書かれているのもレアな点。しかもPAM00001などではトリチウム仕様のほうがだいぶ高くなる傾向があるため、トリチウム仕様であるということ自体に価値があるのです。

しかし、PAM00001のトリチウム仕様は現在この時計よりだいぶ高い相場。通常モデルのPAM00001よりこのサブマーシブル1000mのほうが高いのに、同じくトリチウム仕様になるとPAM00001のほうが高いとは、理解が厄介な現象です。

軽く予測するならば、PAM00001のトリチウム仕様の人気が高いのか、このPAM000087の存在が知られていないかのどちらかでしょう。

いずれにしても特殊モデルという印象のPAM00087は2009年と比べて7万円以上の値上がりですが、他と比べると安いとも言えそうです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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