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現在相場考察

メンテナンス体制に不安がより深刻なのか、フランクミュラーカサブランカ2852

2016年10月22日更新
フランクミュラーのカサブランカについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2013年8月の安値(ヤフオク)と2016年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この3年2ヶ月での変動は6万3200円の値下がりだった。

カサブランカ ピンク文字盤 ブレスレット 2852についての考察(2016年10月)

最近値下がり傾向カサブランカ。パネライとともに一大ブームとなった頃などは、2852サイズでもブレスレット付きだと新品で60万円ほどしたカサブランカ

当然当時の中古だって、40万円台中盤でもかなり“安い”ほう。

その頃ロレックスサブマリーナデイトなどでも新品が30万円台、中古が20万円台後半だったため、それと比べると随分高級品だったフランクミュラーの腕時計。

それが徐々に安値になっていき、いつしか革ベルトなら30万円前後で買えるというのが当たり前になっていきました。そして、それが今やブレスレット付きモデルでも約33万円という額で買えるのです。

メンテナンスが受けられる正規品は3万円高です。 

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2013年8月
の安値(ヤフオク)
2016年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
フランクミュラー
カサブランカ
ピンク文字盤
ブレスレット
2852
中古 3年
2ヶ月
¥398,000 ¥334,800 -63,200 84.12%

今回の記事の上にある個体は「ほぼ新品」という評価にもかかわらず“訳あり”と注がついています。

その理由は「並行輸入品のため日本で修理サービスが受けることができず、部品が手に入らないかも」という内容。

フランクミュラーが日本代理店経由の“正規品”しかメンテナンスを受け付けないというのは以前より有名な話ですが、それが最近では“訳あり”扱いされるということは、パーツ未供給によるトラブルが増えてきたということなのでしょうか。

ちなみに、バッチリメンテナンスが受けられる(=パーツ供給の心配がない)個体はその3万円高で売られています。

2852という小ぶりなサイズ、さらにピンク文字盤ときたらカサブランカの中でもあまり人気のある組み合わせではなく、30万円台後半という値段だと、5850サイズ+黒文字盤あたりが今の相場という感じ。つまり、ちょっと高いという印象です。

しかし、それでも“正規品”の2852ピンク文字盤はすぐに売れてしまうでしょう。

かつて高かった腕時計が、これだけ安値になってきているというのは、特異なメンテナンス体制による部分が大きいでしょうが、これが解消されればフランクミュラーの中古相場は今よりまともなものとなり、結果的に新品も売れやすくなるのだと思います。

ETAポンなどと揶揄されることもあるカサブランカですが、実物は非常に美しく、30万円台前半で買えるのならかなりお買い得とも思えるだけに、今の環境はかなりもったいないと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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