腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

中身に凝った高級オメガの先駆け、オメガデビルコーアクシャル999本限定

2016年10月29日更新
オメガのコーアクシャルについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2004年秋頃の安値(タイムトンネル)と2016年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。このでの変動は¥125,000だった。

デビル リミテッドエディション WG 白文字盤 5941.31.31についての考察(2016年10月)

コーアクシャルといえば、現在オメガでもっとも強く主張している機構ですがそれが最初に搭載されたのは1999年に登場したこの限定発売のデビルにおいてです。

当時のオメガというと定価も実売価格も10万円台から20万台という高級腕時計の中では最も安価に位置するラインナップでした。

当然中身もETAの機械を使っているのですが、他のメーカーのように「ETAポン」と揶揄されることもなく、真面目に作った腕時計を適正価格で販売するブランドとして時計ファンからも一定の支持を得ていたと思います。

そのように、ムーブメントに関しては誰もがさほど気に留めていなかったオメガですが、このコーアクシャルデビューと同じ頃よりムーブメント力を入れるようになった模様です。

センタートゥールビヨンを発表したのもこの時期と近い頃。

コーアクシャル脱進機がそうであるように、トゥールビヨンもすでにその技術を提唱した発明者と一緒に開発するという形を取っていました。

そしてこのコーアクシャル脱進機は、2001年にシーマスターシリーズの中に「アクアテラ」を新設したときに、シーマスターのような普及モデルにも搭載し、オメガの顔という存在となっていったのです。

オメガ デビル コーアクシャル¥165,660〜¥3,780,000(2024年11月20日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2004年秋頃の安値(タイムトンネル) 2016年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
デビル
リミテッドエディション
WG
白文字盤
5941.31.31
中古 12 ¥388,000 ¥513,000 125,000 132.22%

1999年当時のこの限定デビルの扱いは、一言で言うと「異色なオメガ」といったところでしょう。

当時のオメガは先程のように10万円台から20万円台が主力なブランド。

そんなブランドにおいて、金無垢ケース+革ベルトかつムーブメントの機構を売りとした時計が限定999本で登場したのです。

しかし、異色な割には『高級なオメガが欲しい』というニーズはそこそこあったようでそれなりに注目されたモデルだったと思います。

またこの頃より、フレデリックピゲ製ムーブメントを搭載したブロードアローや、WGベゼルにムーンフェイズを搭載したスピードマスターを主力ラインナップとして加えるなど、オメガは高級化していった傾向があるように思えます。

近年、オメガに対して“高い”という印象は拭えませんが、それはあくまで一般モデルに対してのこと。

それに対してこの限定999本のデビルのように、ある種尖ったモデルだと高くても納得する人が多いのだと思います。

ということでこのデビル、かつてより10万円以上の値上がり状態とオメガの腕時計としてはかなり高めの値上がりとなっています。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。