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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第200回~ 2024年ディスコン(廃盤)モデルのご紹介!!

2024年3月3日更新

パテックフィリップ】では、毎年2月の初めに生産終了モデルを発表していますが、2024年にディスコン(廃盤)となったモデルをご存じでしょうか?当店のコラム記事や各種SNS媒体を通して既に発信していましたが、今回は特に異例と言えるほど、複数の人気モデルが生産終了となってしまいましたね。残念に思われた方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、私は4月上旬に控えた”Watches & Wonders GENEVA 2024″にて何か大きな発表があるのではと逆に期待しております。これから、様々なところで新作予想の情報が飛び交うと思いますが、歴史的背景や需要の高さ、近年の市場動向などを踏まえ、ご自身で仮設を立てて楽しんでみるのも一つかもしれませんね!

そんな今回は、2024年生産終了モデルのラインアップをご存じない方のために、人気モデルを中心にご紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!

【目次】
◆ 「Ref.5164A-001」 『アクアノート トラベルタイム』SS
◆ 「Ref.5712G-001」・「Ref.5712R-001」 『ノーチラス プチコンプリケーション』18KWG・18KRG
◆ 「Ref.5980R-001」 『ノーチラス クロノグラフ』18KRG
◆ 「Ref.5980/1R-001」 『ノーチラス クロノグラフ』18KRG
◆ 「Ref.5980/1AR-001」 『ノーチラス クロノグラフ』SS/18KRG
◆ まとめ

「Ref.5164A-001
アクアノート トラベルタイム』SS

「Ref.5167A-001」同様の40.8mmケースに”トラベルタイム”機構を搭載した、2011年登場の『アクアノート トラベルタイム』「Ref.5164A-001」。

複雑機構を搭載しながらも、ケース厚を10.2mmに抑えたことで、抜群の着け心地の良さを誇るこちらの個体は、2021年頃の個体からバックルが最新仕様に変わり、2022年5月頃の個体からは、新ムーブメント「Cal.26‑330 S C FUS」を搭載するようになりました。この辺りの個体は、今後差別化されてくるかもしれませんね。国内外を含めても非常に人気の高いモデルですので、二次流通市場での価値がグッと上がること請け合いなモデルの一つです。

「Ref.5712G-001」・「Ref.5712R-001
ノーチラス プチコンプリケーション』18KWG・18KRG

ノーチラス』生誕30周年記念となる2006年発表の”プチコンプリケーション”搭載モデル「Ref.5712G-001」、「Ref.5712R-001」。

18KWG(ホワイトゴールド)ケースは、スレート文字盤を採用したクールな印象の一方で、18KRG(ローズゴールド)ケースは、ブラックブラウン文字盤を採用し、同系色のアリゲーターベルトを採用していることで、上品かつ温かみのある印象が強いデザインとなっています。そして、サファイアクリスタルのスケルトンバックから覗くムーブメントには、1977年にマイクロ・ローターを搭載した極薄の「Cal.240」をベースとした「Cal.240 PS +IRM +C +LU」を搭載。 プチコンプリケーション機構を搭載しながらも、ケース径40mm、ケース厚僅か8.52mmに抑えたことで、装着時のストレスがない”優秀”な一本です。

「Ref.5980R-001
ノーチラス クロノグラフ』18KRG

18KRG(ローズゴールド)ケースにブラックブラウン文字盤、アリゲーターベルト仕様と、エレガントな印象で2010年に登場した『ノーチラス クロノグラフ』「Ref.5980R-001」。

シルバーを基調とした6時位置のインダイヤルが特徴的なデザインのこちらは、上品でありながらもスポーティーな印象も併せ持った美しいモデルです。革ベルト仕様ということもあり、『ノーチラス クロノグラフ』シリーズの中でも比較的手に取りやすい価格ではありましたが、当店でも久しく入荷が無いモデルの一つで、市場への出回りも少ないことから、今後、人気と相まって価格急上昇なんてこともあるかもしれませんね。

「Ref.5980/1R-001
ノーチラス クロノグラフ』18KRG

豪華な印象でありながらも大人の品格漂う2013年発表の希少モデル『ノーチラス クロノグラフ』「Ref.5980/1R-001」。

前述の「Ref.5980R-001」とは異なり、インダイヤルのカラーが同色となっているため、落ち着いた印象の一本となっています。ちなみにこちらの文字盤、光の当たり方によってグレーにもブラウンにも見えるため、飽きが来ずに永く楽しめる一本でもあると思います。実用性においては、ケース径40.5mm、重量250gと、重厚感ある仕様となっていますが、腕馴染みの良いブレスレットによって、一日中着けていても疲れを感じさせない見事な仕上がりとなっています。まさか生産終了になるとは思っていませんでしたが、今後、こちらに為り変わるモデルが登場することを気長に待ちましょう。

「Ref.5980/1AR-001
ノーチラス クロノグラフ』SS/18KRG

SS(ステンレススチール)×18KRG(ローズゴールド)のコンビケース・ブレスレットに、鮮やかなブルー・グラデーション文字盤を搭載し、2013年に登場した『ノーチラス クロノグラフ』「Ref.5980/1AR-001」。

パテックフィリップ】のコンビモデルと言えば、SS(ステンレススチール)×18KYG(イエローゴールド)の組み合わせが主流であったため、登場時に多くの反響を生んだこちらのモデルは、ブルーグラデーション文字盤と、18KRG(ローズゴールド)ベゼルとのコントラストがなんとも美しく、スポーティーな雰囲気を漂わせています。また、スケルトンバックからはまさに芸術品と呼ぶに相応しい、フライバック機能付きクロノグラフ搭載ムーブメント「Cal.CH 28-520 C」を鑑賞いただけますので、表裏どちらからでも楽しめる見事な逸品です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

お気付きの方も多いと思いますが、生産終了の発表を受けて『ノーチラス クロノグラフ』や、革ベルト仕様の『ノーチラス プチコンプリケーション』が全てラインアップから消えてしまうこととなりました。また、当店での人気も高い『アクアノート トラベルタイム』まで生産終了が決まり、例年になく寂しい発表となってしまいましたね。ちなみに他にも、『カラトラバ パイロット トラベルタイム』「Ref.7234G-001」、「Ref.7234R-001」や、『ワールドタイム』「Ref.5230P-001」などもカタログからひっそりと消えております。しかしながら、当店では今後もこれらのモデルをしっかりと入荷してお客様へお届けいたしますので、是非お見逃しのないよう当店HPをチェックしてみてください!

引き続き、みなさまにとって有益な情報を少しでも多くお伝えしていければと思いますので、次回のパテック論を楽しみにお待ちください。

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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