2021年以降、90年代後半頃に現行だったカルティエの各モデルが上昇傾向となる様子があります。
特にCPCPといった名作は、3年ほど前まで長期にわたって値動きしなかったのですが、急激に上昇するようになった結果、数年前水準の3倍、5倍といった動きが見られます。
また、CPCPのような特殊な高級モデルに限らず、同世代のパシャ38mmやサントスガルベといったモデルも上昇。パシャ38mmのクロノグラフは1.5倍、サントスガルベの機械式モデルは2020年水準に対して2倍といった状態です。
さらに、パシャ38mmよりも1つ世代が新しい(2002年頃登場)といえる、ロードスターやタンクディヴァンにについても、「久々の変化」という様子が見られ、それらも1.5倍程度の上昇といった変化となっているのです。
しかし、そんな“やや古いカルティエ”において、まだ変化が見られないモデルが存在。
それが、2005年登場のパシャ42mmであります。
これは、パシャ38mmの後継モデルにあたり、上級版だけあってムーブメントはJLCベース。
特に、SSのブレスレットモデル、W31072M7は特に値動きしていない傾向があり、現在水準は2018年10月と5万円程度の差(残価率は約110%)にとどまっているのです。
パシャ38mmについては、3針やGMTなど、ほぼすべてのモデルをとってしても、2021年よりも前との比較で1.5倍、すなわち残価率が150%程度になっていることを考えると、パシャ42mmはあまり伸びていないといえます。
そんなパシャ42mmですが、今回お伝えするYGモデル、W3019351についてはSSモデルよりも伸びが見られる様子があります。
前回、このW3019351をお伝えしたのは2018年4月でしたが、その際は108万円。それに対して、現在水準は132万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年4月 の安値 |
2024年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ42mm W3019351 |
中古 | 5年 11ヶ月 |
¥1,080,000 | ¥1,320,000 | 240,000 | 122.22% |
2018年4月⇒現在までの約6年間において、W3019351は24万円ほどの上昇をしたわけですが、この間の残価率は約122%となります。
これは、パシャ42mmとしては動いているほうですが、ロードスターやタンクディヴァンなどの150%程度といった残価率と比べると弱めという側面もあります。
このところ、やや古いカルティエの中古相場が上昇する傾向があるなか、不思議とそこまで伸びていないパシャ42mm。
筆者個人的には、この42mmの革ベルトが、どことなく高級時代のラジオミールを洗練させたような感じがして好きなため、もう少し評価されても良いのではないか、と思っています。