近代的なアンティークという80年代の短命スポロレの数々。その中でも絶妙なポジションに位置するのがこの16753というGMTマスターのコンビモデルです。
このモデルのステンレス版は16750に相当し、同じ年代の他のモデルと同様に“フチあり”仕様と“フチなし”仕様が存在します。
この“フチ”というのはアップライドのことなのですが、これがコンビや金無垢モデルにとっては非常に重要。というのも、この年式以前において“フチ”という存在はコンビか金無垢の豪華モデルにのみ採用される豪華な象徴的存在だったのです。
その時代の“フチ”こそ通称「フジツボダイヤル」とよばれる存在。これは“フチなし”時代のモノなので、装備されるモデルも16570の前期か4桁リファレンス時代のモデルです。
ちなみに4桁リファレンスのモデルはすべてがフジツボ仕様なのですが、当時のリファレンスが今となっては混乱を招く仕様です。それは、ステンレスのリファレンスに『/3』が付けばコンビ、『/8』が付けば金無垢というルール。
すなわち、16753より1世代前のモデルのリファレンスは1675/3であり、そこから『/』を抜いたのがこの個体。検索しても見つけづらい上に、どちらなのか間違いやすいのが難点です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年4月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター 茶金ベゼル 16753 |
中古 | 5年 7ヶ月 |
¥380,000 | ¥814,000 | 434,000 | 214.21% |
とはいえ4桁リファレンスと16753の間には大きな価格差は意外に存在しないため、どちらを買っても正解だったということになります。
この時計、2011年との価格差が40万円以上と、とてもすごい値上がりをした時計。
とはいえ、茶金ベゼルのGMTのマスターはどのモデルも同じような値上がり額なので、とくにこのモデルだけがすごいというわけでもありません。
フジツボが特徴的な1675/3を買っても、80年代ヴィンテージの16753を買っても、オーソドックスな5桁の16713を買っても良かったというわけです。
しかし今後もこれら3つのモデルが同じような相場であるとは限りません。
他のモデルでもそうですが、ふとしたきっかけで特定のモデルだけ高くなるというのがロレックスの面白い現象。
そして価値が上がりやすいのはより生産数が少ないモデルです。
ただ、この3つを比較すると、より古い1675/3がレアなのか、生産年数が短いこの16753がレアなのかは迷うところだと思います。