2000年に登場したデイトナビーチはグリーン、イエロー、ピンク、ブルーという4色がラインナップされています。
全4色のパステルカラーのデイトナビーチはその可愛さとは反対に、ホワイトゴールド製というかなりな高額モデル。
そしてその希少性と強いキャラクターから、いつの時代も高値傾向な存在です。
そんなデイトナビーチの中で、最も安めな存在がこの「緑」。
全4色のラインナップがそれぞれ天然素材を文字盤に採用していますが、緑と青は石系素材を採用。(黄色とピンクはシェル)
青はラピスラズリ、緑は翡翠。ラピスラズリもいいですが、この翡翠、とてもきれいだと思います。
そして翡翠といえば中国で人気がある印象。高級腕時計において中国人需要はかなり重要ですが、そういう事情があるにも関わらずなぜデイトナビーチの緑は比較的不人気なのでしょうか。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年7月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ デイトナビーチ緑 116519 |
中古 | 6年 4ヶ月 |
¥1,043,292 | ¥2,197,800 | 1,154,508 | 210.66% |
緑のデイトナビーチが安値傾向な理由としてまず考えられるのが箱の存在。
デイトナビーチといえば時計本体だけでなく箱など付属品すべてがその色に合わせた特別仕様となっているのは有名です。
ロレックスのテーマカラーは緑なので、純正の箱は今も昔も緑色。
で、緑のデイトナビーチとなるとせっかくの特別仕様でも、なんだか通常の箱に見えてしまうという現象が発生。
次に考えられる理由が翡翠という存在。
翡翠の色はきれいですが、ラピスラズリと比べると“翡翠”という存在はかなりシブい。翡翠が素敵であることは間違いないのですが、デイトナビーチのイメージにはラピスラズリのほうが相性がいいのは間違いないでしょう。
そして最後に考えるべきなのが中国人需要。
最近、ユニオンペイの持ち出し制限の影響なのか経済的事情なのか、かなり減っていると言われる中国人の時計購入。夜のニュースではデパートの売上が下がったと伝えられていたりします。また、日本だけでなくリシュモン本社の売上が下がるなど世界的な影響もある模様です。
しかし、この緑のデイトナビーチが安値傾向という現象は、中国人がまだまだ日本で時計をいっぱい買ってくれていた頃からのこと。
おそらく中国人は時計=新品という考えが強く、まだまだ中古を買うという文化まで到達していないのだと思われます。
よって今後、中古を買うという文化がより中国で浸透したら、このデイトナビーチ「グリーン」の人気も上がるかもしれません。
ちなみにデイトナビーチ、2000年限定というイメージが強いですが実は2010年代でも生産されています。
しかし、全部で4色あるためすべてが同じ時期に生産されているかは不明(ブルー以外はいずれも2010年代に生産されています)で、いずれにしても希少種であることに変わりはありません。
なお、最近でも生産されているということは、革ベルトの生産があるということ。
ロレックスの場合、過去モデルに付帯するパーツの供給をパテックフィリップのように永遠にするということはありません。革ベルトはデイトナビーチにおける重要なキャラクターを形成する要素の1つですから、新品が買えるうちに5セットぐらい保存しておいたほうが良いかもしれません。