ステンレスのノーチラスは、5711/1A-010が生産終了となった2021年春をもって、事実上の消滅状態となっているといえます。
2021年の新作発表時に緑文字盤の5711/1A-014が出たものの、そちらはスペシャルモデルといったキャラクター。通常ラインナップの青文字盤と白文字盤は、2021年春までに生産終了となってから、現在までにかけて復活していません。
生産終了発覚以降の5711/1A水準は、青文字盤、白文字盤ともに1300万円以上といった規模になりましたが、2022年春にはどちらも2000万円以上という水準に達しました。
その後は、値下がり傾向となったわけですが、青文字盤については一時「2021年春水準を下回る」という状態になったわけで、近頃の値下がりモデルの中でも「異例な下落」という様子がありました。
ただ、今に至ってはそれなりに回復状態となっており、このところの相場は白文字盤が1400万円程度、青文字盤が1700万円前後といった水準で落ち着いているように感じます。
そういったことから、なんだかパテックフィリップのスポーツ系は、「近頃あまり目立った変動をしない」という印象になっているかと思うのですが、そういった最中、異変が起きている雰囲気があるモデルがあります。
それが、アクアノートの現行モデル、5167/1A-001なのですが、このところ上昇といった様子があるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年3月 の安値 |
2024年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5167/1A-001 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥7,980,000 | ¥8,160,600 | 180,600 | 102.26% |
5167/1A-001は、2022年2月に1200万円台という水準を記録した後に下落した経緯がありますが、2022年7月に800万円を割っていました。
しかし今、5167/1A-001は800万円以上に回復。現在ボトム価格は、約816万円となっているわけですが、2番目に安価な個体は約826万円、3番目は858万円と、勢いを感じる雰囲気だと筆者は思います。
ノーチラスの5711/1A-010が2021年春に生産終了となったことから、パテックフィリップのステンレススポーツモデルは「現行が消滅」といった印象があるかもしれません。
しかしながら、この5167/1A-001については、2024年4月現在でも現行モデルとしてラインナップされているわけです。
5167/1A-001と5711/1A-010は2016年以前は、中古相場が近く『兄弟的なモデル』という印象がありました。
しかし、今では両者の相場は「倍ぐらい違う」となっているわけですが、両者の間には「生産終了か否か」という違いがあります。
もちろん、5711/1A-010が生産終了になる前から、5167/1A-001は「ノーチラスと大きな差」となっていたわけですが、そういった事情を考慮しても、今後ノーチラスとの差がどれだけ縮まるかが興味深いと筆者は思っています。