ゼニスムーブメント搭載のパネライは、2002年度をもって終了。2003年からなにかの事情でゼニスベースのムーブメントが使えなくなったためか、2002年にデビューしたゼニスムーブメント搭載モデルはいずれも1年で生産終了しているのです。
当時のパネライは各モデルごとに1年あたりの生産数が決まっていたため、2002年デビューのゼニスムーブメント搭載モデルは、レギュラー版でも限定モデルのような生産数となっています。
それに該当するのが、ルミノールクロノの121番、122番、ラジオミールの141番であります。
当時、ゼニスムーブメントを搭載するパネライは、いずれも上級モデルであり、ルミノールクロノは、ルミノール系の最高峰。ラジオミールは、ロレックスでいうデイデイトのような存在でした。
さて、近頃といえば、この時代のレギュラーモデルが「久々に評価」といった傾向が見られますが、ラジオミールにおいては、ゼニスムーブメント世代の103番が上昇。2021年時点で130万円台だったのが、2023年6月時点で180万円台に達しています。
しかしながら、今回お伝えするPAM00141については、103番ほどの変化が見られず、現在約85万円で購入可能といった状態。
この141番は、2020年8月時点で約79万円だったのですが、その頃から現在までにかけて5万円程度の値動きしかしていないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年8月 の安値 |
2024年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00141 |
中古 | 3年 10ヶ月 |
¥798,000 | ¥855,800 | 57,800 | 107.24% |
141番は、ゼニスムーブメント搭載のラジオミールとしては、唯一ステンレスが採用されています。
ラジオミールは基本的に、K18モデルといった傾向があったため、レギュラーモデルでSSが採用されていたのは98番(GMTアラーム)とこの141番ぐらい。
141番は、103番といったゼニスムーブメント搭載モデルのSSバージョンだといえます。
ただ、103番のケースサイズが40mmなのに対し、141番は42mm。また、文字盤のスモセコ部分が銀色といった変化があります。
このスモセコ部分が銀色というのは、ルミノールクロノの122番などと同様。2002年デビューのゼニス搭載最終パネライならではの特徴だといえます。
141番は、上級モデルであった頃のラジオミールの希少SSモデル。パテックフィリップでいうならば、カラトラバのSSモデルといった感じであるわけです。
そうであるにも関わらず、現在、2020年水準との差が5万円程度という状態であるため、検討する価値がある1本だと思います。