2022年頃から、「かつての相場の2倍3倍」といった状態になるカルティエが見られるようになったといえますが、当時その様子を象徴していたかのような存在が、サントスガルベのW20067D6であります。
W20067D6は、サントスガルベLMサイズのグレー文字盤。通常、この時代のサントスガルベにはギョーシェ仕様の白文字盤が採用されているのですが、W20067D6はサンレイ仕様のスレートグレー文字盤となっているのです。
そういった希少性と見た目の格好良さから、W20067D6には「一味違うサントスガルベ」といった感覚があるわけですが、2020年時点では、通常モデルに対して「プラス5万円程度」といった相場にとどまっていました。
それが2022年になるとW20067D6は、通常モデルとは明らかに違う相場に変化。
前回お伝えした2022年8月時点でW20067D6は、なんと約101万円に達していたのです。(当時の通常モデル相場は40万円程度=相場差が60万円規模に変化)
さて、W20067D6のように、2022年という特定の時期に「ガバッと上昇」という動きになると、値動きはその時点だけといった場合が珍しくありません。
しかし、W20067D6は2022年で値動きがストップするということはなく、それから現在までにかけても値上がりが継続。
W20067D6の現在水準は、なんと約142万円となっているのですが、これは2022年8月水準に対して約40万円もの値上がりという状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年8月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
サントスガルベ W20067D6 |
中古 | 1年 11ヶ月 |
¥1,019,400 | ¥1,427,800 | 408,400 | 140.06% |
こういった動きを見ると、こういったカルティエは、今後も「値動きする」ようになるのではないかと感じます。
かつてのオメガがそうだったように、『以前は“値動きしない”傾向だったのが、あるタイミングから“ロレックスのような変動”となった』という事例があります。
私の著書「データでわかる腕時計投資の正解」でも触れましたが、『値動き始まり元年』といえる状態は、ノーチラスが2017年、ロイヤルオークが2018年、オーヴァーシーズは2021年であります。
そういった『値動きの始まり』的な動きが、カルティエの旧世代モデルにも起こりつつあるのではないか。それが、今回のW20067D6の事例からいえると思うのです。