90年代に大ヒットとなっていたタグホイヤーのS/el。その後継モデルに当たるのがリンクなのですが、リンクにはS/el時代では考えられないムーブメントが搭載されたモデルがあります。
それがこのCT511Bなのですが、なんとムーブメントはエルプリメロ。S/elの時代、タグホイヤーのムーブメントはクォーツが基本だったため、エルプリメロ搭載のリンクは『意外性のある1本』だといえます。
エルプリメロ搭載ということもあって、CT511Bの定価は2000年代後半時点で70万円台といった水準。かつてのS/elの定価が20万円程度だったことを考慮すると「かなり高い価格帯」に位置していたことになります。
そういった“上級モデル”というキャラクターゆえに、CT511Bは2009年8月時点で約29万円という中古相場となっていました。
当時の29万円という価格は、ロレックスだとサブマリーナーの16610と同水準。エクスプローラー系よりも高値だったのです。
しかしCT511Bは、2010年代になると下落。2017年8月時点では18万円で購入可能という状態でした。
さて、近頃のタグホイヤーといえば、復刻版時代のカレラや、キャリバー11を搭載するモナコが上昇。また、青赤ベゼルのアクアレーサーも目立った値上がりとなっているわけですが、いずれも「尖ったモデル」が評価されているといえます。
そういった意味では、エルプリメロを搭載するCT511Bも尖ったモデルだといえるわけですが、現在相場がどうなっているかというと、24万円といった様子。
2018年10月水準に対して3万円程度の差にとどまっている状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
リンク CT511B |
中古 | 5年 9ヶ月 |
¥209,131 | ¥240,000 | 30,869 | 114.76% |
筆者は、このCT511Bを何度か取り上げようと思っていたのですが、2019年以降、中古売り出し数が激減。
2018年までは「いつでも売られている」といった感覚だったのが、2019年頃からは「中古売り出し数がゼロ」ということが多くなったといえます。
そして、CT511Bは売り出されると、比較的早く売り切れ。中古出現数が少ないのに、すぐに売り切れるわけですから、「中古売り出し数がゼロ」となるのは当然だといえます。
そういったことことや、「エルプリメロ搭載」という濃いキャラクターからして、CT511Bは“いかにも値上がりしていそう”だと思ったのですが、意外にも2018年水準との差が約3万円と、あまり値動きしていなかったのです。
このようなことを考慮すると、CT511Bの今の状態は、『検討する価値あり』だと思います。