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現在相場考察

PVD(DLC)レフティの評価はいかに、ルミノールマリーナPAM00026

2024年7月4日更新
オフィチーネパネライのルミノールPAM00026について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年8月の安値と2024年7月の安値を比較し現在相場を考察。この7年11ヶ月での変動は¥120,660だった。

ルミノールマリーナ PAM00026についての考察(2024年7月)

パネライは、古ければ古いほど高値という傾向があります。

例えばですが、リシュモングループ入りする前の『プレヴァンドーム』は最も高く、次にリシュモン初期世代の『トリチウム個体』が高いといった傾向があります。

また、それら世代に存在したイレギュラーモデルは特に高値だといえ、PVDやレフティ、GMTといった要素がそれに当たるといえます。

ちなみに、PVDは1999年度までラインナップされていた“変わり種素材”なのですが、PVD加工が剥がれてしまうため、2000年からはその枠がチタンに変更された経緯があります。

そのため、2002年に日本でパネライブームが起きた際、PVDはかなりな憧れモデルだったわけで、当時の中古相場も『かなり高い』という印象がありました。

しかし、2010年代になると「PVD+レフティ」という、“最強要素”を兼ね備えるPAM00026の中古相場は「かつてほど相対的に高くない」という状態に変化していたのです。

ちなみに、PAM00026は1998年に登場し、1999年に生産終了。A番とB番といったパネライの初期世代のみの生産であります。

とはいっても、2008年に一度復刻され、その際1000本が限定で生産。2008年版のPAM00026には、PVDではなく、剥がれにくいDLC加工が施されているのです。

さて、冒頭でもお伝えしたようにパネライは「古いほど高値」という傾向があるため、この26番も2008年版より、A番B番のオリジナルほうが評価が高いはずであります。

けれども、前回この26番をお伝えした2016年時点では、オリジナル年式個体が約60万円という水準。当時としても「かなり安価」といった状態でありました。

そんな26番でありますが、現在相場はどうなっているかというと、その答えは約72万円

他のパネライにおける近頃の上昇を考えると、あまり伸びていないといった印象になります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年8月
の安値
2024年7月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ
PAM00026
中古 7年
11ヶ月
¥604,800 ¥725,460 120,660 119.95%

なお、2017年における2008年版PAM00026相場は70万円であります。

それを考慮すると、現在水準は2017年時点の相場と2万円程度しか変わっていないわけで、「PVD(DLC)+レフティ」というパネライに対するかつてのイメージからすると、そこまで評価されていないという印象になります。

2008年といった時期に、26番のような「初期世代のみ存在」のモデルがいくつか復刻されましたが、そのことによってA番B番のみだったというヴィンテージ感が薄まってしまったのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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