パネライは、古ければ古いほど高値という傾向があります。
例えばですが、リシュモングループ入りする前の『プレヴァンドーム』は最も高く、次にリシュモン初期世代の『トリチウム個体』が高いといった傾向があります。
また、それら世代に存在したイレギュラーモデルは特に高値だといえ、PVDやレフティ、GMTといった要素がそれに当たるといえます。
ちなみに、PVDは1999年度までラインナップされていた“変わり種素材”なのですが、PVD加工が剥がれてしまうため、2000年からはその枠がチタンに変更された経緯があります。
そのため、2002年に日本でパネライブームが起きた際、PVDはかなりな憧れモデルだったわけで、当時の中古相場も『かなり高い』という印象がありました。
しかし、2010年代になると「PVD+レフティ」という、“最強要素”を兼ね備えるPAM00026の中古相場は「かつてほど相対的に高くない」という状態に変化していたのです。
ちなみに、PAM00026は1998年に登場し、1999年に生産終了。A番とB番といったパネライの初期世代のみの生産であります。
とはいっても、2008年に一度復刻され、その際1000本が限定で生産。2008年版のPAM00026には、PVDではなく、剥がれにくいDLC加工が施されているのです。
さて、冒頭でもお伝えしたようにパネライは「古いほど高値」という傾向があるため、この26番も2008年版より、A番B番のオリジナルほうが評価が高いはずであります。
けれども、前回この26番をお伝えした2016年時点では、オリジナル年式個体が約60万円という水準。当時としても「かなり安価」といった状態でありました。
そんな26番でありますが、現在相場はどうなっているかというと、その答えは約72万円。
他のパネライにおける近頃の上昇を考えると、あまり伸びていないといった印象になります。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00026 |
中古 | 7年 11ヶ月 |
¥604,800 | ¥725,460 | 120,660 | 119.95% |
なお、2017年における2008年版PAM00026相場は70万円であります。
それを考慮すると、現在水準は2017年時点の相場と2万円程度しか変わっていないわけで、「PVD(DLC)+レフティ」というパネライに対するかつてのイメージからすると、そこまで評価されていないという印象になります。
2008年といった時期に、26番のような「初期世代のみ存在」のモデルがいくつか復刻されましたが、そのことによってA番B番のみだったというヴィンテージ感が薄まってしまったのかもしれません。