PVDの後継として、2000年に登場したパネライのチタンモデル。
文字盤はステンレスとは異なる仕様となっており、通称「タバコ文字盤」と呼ばれる焦げ茶のものが採用されています。
また、チタンケースであることからケースはサテン仕上げとなっており、文字盤の雰囲気合わせて“SSモデルとは違う”ということが分かる見た目となっています。
現行当時、この『タバコ文字盤+サテン仕上げ』というチタンモデルはどれも人気がなく、当時“プレ値”となっていた1番や2番とは異なり、定価以下で購入可能という状態でした。
ちなみに、筆者は2002年にルミノールマリーナの61番を30万円台後半で購入しましたが、選んだ理由は「SSよりも安かった」からであります。
このように、かつては不人気といった印象だったチタンモデルでありますが、2010年代になるとその地位は向上。
特に、タバコ文字盤は2004年に廃止されたためか、人気が高くなっているのです。
「タバコ文字盤」が採用されている55番と61番、また裏スケ後の116番と118番といった各モデルは2010年代になるとSSよりも高い価格帯に位置するようになったといえます。
しかしながら、前回55番をお伝えした2018年においては、55番はステンレスと変わりない価格帯といった状態になっていたのです。
そうなった理由は、パネライが2016年頃から「値動きしない」傾向が続いていたからだと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年3月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00055 |
中古 | 6年 4ヶ月 |
¥456,900 | ¥698,500 | 241,600 | 152.88% |
2016年春頃までパネライは、ロレックスのように活発に値動きする様子があったのですが、2016年夏の下落トレンド以降は「元気がない」状態が継続。2017年からロレックスなど多くの腕時計が反発し、値上がり傾向となった一方、パネライは「相場が変わらない」とか「逆に値下がり傾向」といった様子があったのです。
そんなパネライでありますが、2023年夏頃から「久々に値動きする」という状態が見られるようなり、手巻きの白文字盤などは50万円台になる(3番 2021年4月:約38万円⇒2023年8月:約54万円)という動きをしています。
そうなると、55番といった存在も、2015年頃のように“SSよりも高値”といった状態に戻っても不思議でないわけですが、どうなっているかというと、やはりSSよりも明らかに高値といった状態が見られます。
2018年3月に約45万円となっていたPAM00055でありますが、現在では約69万円といった状態。
現在、55番と同世代の手巻きのSSモデルは50万円台といった水準ですから、『SSよりもチタンのほうが高値』という価格序列に戻ったといえます。