2005年頃を境目に、カルティエはパシャシリーズを一新した経緯があります。
それまで、『高級=パシャ38mm』、『カジュアル=パシャC』といったラインナップで、どちらも男性向け(パシャCは男女兼用)でした。
それが、2006年からは『高級=パシャ42mm』、『カジュアル=パシャシータイマー』に変化。ここまでが男性用で、パシャCはミスパシャとともに女性向けといったキャラクターになったといえます。
さて、カルティエといえば近頃、90年代後半頃に現行だったモデルが目立った上昇となっているわけですが、パシャシリーズでもパシャ38mmとパシャCは2021年以降目立った上昇といった様子が見られます。
しかしながら、パシャ42mmやパシャシータイマーといった、2005年頃デビュー世代では値動きが見られず、現在でもパシャ42mmは過去相場と大きく変わりないといえる状態であります。
そんな2005年頃世代のパシャでありますが、現在パシャシータイマーに『目立った変化』が見られる状態が発生しているのです。
パシャシータイマーのW31077U2を前回お伝えしたのは、2017年6月だったのですが、その際は約23万円となっていました。
それに対して、現在、ABランク以上の個体は約31万円といった様子。
長らく20万円台前半といった状態が続いていたW31077U2が、30万円台となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値 |
2024年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャシータイマー W31077U2 |
中古 | 7年 1ヶ月 |
¥239,760 | ¥318,000 | 78,240 | 132.63% |
さて、W31077U2は今回『20万円台⇒30万円台』という変化をしたため、パシャ38mmなどといった90年代世代モデルに見られる値動きの仲間入りをしたように見えます。
しかし、実はこのW31077U2の2012年1月水準は約31万円。
当時といえば、リーマンショック後で腕時計が全体的に安価だったわけですが、パシャシータイマーのW31077U2はその時期において、現在水準と同様だったのです。
つまり、パシャシータイマーの30万円台という現在水準には、『2012年並みに回復』といった要素があるわけで、過去最高値更新といった状態の90年代世代モデルとは性質が異なるわけです。