かつてパネライとともに、ポストロレックスとして一定の評価を得たフランクミュラー。
長らくその立ち位置は、最低価格のカサブランカでもヨットマスターロレジウムと同程度というものでした。
ロレジウムというと、現在の中古相場はGMTマスター2より安いという印象ですが、登場したときの定価も実売価格も3針スポーツロレックスの中で最も上という時計です。
そして、フランクミュラーの場合、高級なモデルになると複雑腕時計という存在があり、パテックフィリップ的でもあり、独立時計師というカテゴリでもあるというイメージが存在。
よって、フランクミュラーというブランドのシンプルな3針ステンレスモデルがロレジウムと同価格というのは、非常に分かりやすいポジションだったのです。
しかし実際は「ETAポン」と揶揄されるなど、時計本体の実力がその価格に見合うかどうかは微妙なところでした。
よって筆者は以前からフランクミュラーを“お得な存在”として取り上げることはなかったのですが、ここ1年でフランクミュラーに対する見かたはだいぶ変わったのです。
その大きな理由が、フランクミュラーが値下がりしているという点。
かつて、サブマリーナよりもパネライよりも高かったフランクミュラーのカサブランカが今ではそれらより安いとなると、注目せずにはいられないのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年8月 の安値(ヤフオク) |
2016年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
フランクミュラー
カサブランカ 白文字盤 ブレスレット 5850 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥398,000 | ¥380,000 | -18,000 | 95.48% |
実際カサブランカの実物をみると、美しさを感じるポイントが多く、ブレスレット装着モデルが30万円台後半という現在の相場は適正価格だと感じます。
カサブランカの場合、黒文字盤と白文字盤、ピンク文字盤というのが基本的なラインナップなのですが、最もカサブランカの良さが発揮されるのが白文字盤という印象。
そう思う人が多いのでしょうか、最近白文字盤は他の文字盤と比較して高めの傾向で、2015年8月に本サイトで取り上げて以来、筆者が探した限りでは40万円を切るものが見つかりませんでした。
そして、1年数ヶ月を経てやっと38万円のモノを発見。
最近、かつて5850よりだいぶ高かった6850の黒文字盤が約35万円、2852のピンク文字盤に関してはブレスレットでも約31万円という相場のカサブランカ。
よって、38万円という額はカサブランカの中でも比較的高めということになりますが、実物を見ると本当に適正価格だということがわかると思います。
値上がり期待は微妙なところですが、過去の相場を考慮すると、今はなかなか買い時だということが分かります。