ミルガウスは、4桁世代の1019をもってシリーズ廃止となっていましたが、2007年に復活。その際出たのが、116400と116400GV黒文字盤であります。
復活時は、大変な注目度となっていたため、白文字盤、黒文字盤、黒文字盤(GV)と、全てのミルガウスが定価を上回る状態となっていました。
2007年当時、相場が定価以上となっていた現行モデルは、デイトナと緑サブぐらい。なおかつ、116400GVについては、デイトナの新品実勢価格を大きく上回っていたため、ミルガウスには「スター」といった感覚があったわけです。
しかしながら、デビュー翌年のリーマンショックでミルガウスは暴落。そして、2013年以降の上昇トレンド時になっても、ミルガウスはそこまで反応を見せませんでした。
その結果ミルガウスは、他のロレックスに対して「高い価格帯」というポジションではなくなってしまったわけです。
2017年以降の中古腕時計相場においては、「デビュー時の新品実勢価格を超える」という現象は珍しくなくなりました。しかし、ミルガウスについては「デビュー時に大注目」、その後は「注目度が高くない」となっている経緯があるため、デビュー時の価格超えという難易度が高いのです。
実際、2007年に新品実勢価格が180万円程度となっていた116400GVについては、未だその水準を超えたことがありません。
ただ、116400については、黒文字盤、白文字盤ともに2021年時点で「2007年の新品実勢価格超え」ということを実現していました。
それが、2022年からの下落トレンドによって再度の値下がりとなったため、116400黒文字盤は2021年11月水準が最も高値、という状態が続いていたのです。
では、過去最高値といった状態だった2021年11月の黒文字盤水準はどうだったかというと125万円であります。
それに対して、現在水準は約126万円ですから、なんと過去最高値更新といった状態。
2021年11月水準に対して1万円の差ではあるものの、2022年4月以降に値下がりとなったモデルが過去最高値更新となるのは、大きな出来事だといえます。
筆者の調査では、2022年春頃からの値下がりトレンドで下落したモデルが、過去最高値更新となるのは初だといえるため、何かと凄い値動きをしたと思うのです。
なお、2021年11月以降の116400黒文字盤の値動きは以下の通りであります。
(2007年デビュー時の新品実勢価格の参考:110万円)
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