第1世代のアクアノートに存在した、メンズサイズのクォーツモデルである5064A-001。
「メンズサイズのクォーツ」という存在は、アクアノートに限らず、オーヴァーシーズの第1世代にも存在したのですが、90年代後半という時期に出たモデルが最後の「メンズクォーツ」だといえます。
少し前まで、クォーツの高級腕時計はあまり人気がなかったといえますが、近頃では「高級腕時計なのにクォーツ」という意外性が面白いと評価されているようで、ロレックスではオイスタークォーツ系が同世代の機械式よりも高値となっている事例があります。
アクアノートの5064A-001については、さすがに機械式よりも高値となっている様子はないものの、このクォーツモデルは、機械式の相場に迫る様子を見せているのです。
現在、5064A-001は460万円となっているのですが、同じサイズの機械式モデルである5066A-001はなんと約478万円。
機械式対クォーツの差がなんと18万円程度となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年10月 の安値 |
2024年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5064A-001 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥4,305,400 | ¥4,600,000 | 294,600 | 106.84% |
この5064A-001、前回記事で取り上げた2023年10月時点で約430万円でしたが、その前に取り上げた2022年1月時点では約368万円でした。
ですから、5064A-001は2022年以降において「ずっと値上がり傾向」という様子を見せているわけです。
それに対して、5066A-001は2022年以降、5064A-001のような分かりやすい上昇という動きをしておらず、ノーチラス5711/1A青文字盤のような動きをしているといえます。
つまり、5066A-001は2022年以降において、ずっと値上がり傾向とはなっていないわけです。
その結果、5064A-001が5066A-001水準にかなり迫った状態になったといえるのですが、かつての5064A-001の立ち位置を考えると、ここまで5066A-001に迫るというのは「凄い」という感想になります。
ちなみに、昔の記事でお伝えした各相場ですが、5064Aの2015年8月水準が約89万円、5066Aの2016年10月水準は約129万円でした。
2016年10月という時期は下落トレンドだったため、アクアノートも2015年8月よりも安価となっていたといえますが、その比較でも5066Aのほうが明らかに高値。2016年頃の相場では、機械式はクォーツの1.44倍高値だったとなります。
それに対して現在はどうなっているかというと、1.04倍という数値であります。
ちなみに、460万円という5064A-001を1.44倍すると約662万円となるわけですが、5066A-001のすべての個体を見ても660万円台というものは現在ありません。