近頃、ようやく人気が出てきたと感じるゴールデンエリプス。かつては、「不人気パテックフィリップ」といった存在感でしたが、この“良さ”に気づく人が増えてきたといえます。
実際私も、数年前にゴールデンエリプスを見たとき、「まだ現行品として残っているのか?」と疑問だったぐらい“理解不能なモデル”と思っていました。ただ、見ているうちに、だんだんとその魅力に気づいていきます。そして、2017年11月に当時現行だった3738/100J-012を購入したのです。
その際の購入額は、129万8000円だったのですが、これはこの世代の自動巻モデルとしては「安め」。一方、ゴールデンエリプスとしては「割高感あり」といった感じでした。
というのも、この青文字盤のゴールデンエリプスは、2017年において手巻きモデルであれば50万円台で購入可能だったからです。
また、自動巻についても古い個体は安価な傾向。この3738/100Jは、1977年デビューのモデルであるため、探せば110万円程度で購入できたといえます。
ですから、3738/100J-012を130万円程度といった金額で買うのは「割高感」があったわけです。
では、そんな3738/100J-012は今、どういった評価になっているか。
その答えは、約379万円。現行時の定価超えとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値 |
2024年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ゴールデンエリプス 3738/100J-012 |
中古 | 6年 9ヶ月 |
¥1,298,000 | ¥3,798,000 | 2,500,000 | 292.60% |
ゴールデンエリプスは、2018年にモデルチェンジを実施。
その時、3738/100系が全て生産終了になり、それ以降、「エクストラジャンボ」のみの展開となっています。
また、『青文字盤+YG』というカラーリングも、2018年の生産終了タイミングで廃盤。
この配色は、ノーチラスの青文字盤のようなエリプスを代表するカラーリングであるのですが、その最も新しい存在がこの3738/100J-012なのです。
ちなみに、3738/100J-012は2005年デビューでありますが、その時同時に出たRGとWGとは異なり、YGは文字盤プレートがK18となっているのがツボであります。
ただ、現行当時の人気度はRGやWGのほうが高く、このYGの3738/100J-012は、最も不人気だったといえます。
というのも、先に述べたように、3738/100Jは1977年デビュー。RGとYGは、カラーリングが一新されている一方、3738/100J-012は1977年モデルと見た目がほぼ同じ。古いモデルとの『差』が分かりづらいのです。
しかし、エリプスファンになってしまえば、2005年より前の3738/100Jと、3738/100J-012の“わずかな差”が重要になってくるのです。
ですから私は、2017年にあえて3738/100J-012を購入したのですが、現在の3738/100J-012の評価を見ると、やはりこのモデルは価値があると感じます。