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現在相場考察

2017年水準に対して250万円上昇、ゴールデンエリプス3738/100J-012

2024年8月10日更新
パテックフィリップのゴールデンエリプス3738/100J-012について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年11月の安値と2024年8月の安値を比較し現在相場を考察。この6年9ヶ月での変動は250万円の値上がりだった。

ゴールデンエリプス 3738/100J-012についての考察(2024年8月)

近頃、ようやく人気が出てきたと感じるゴールデンエリプス。かつては、「不人気パテックフィリップ」といった存在感でしたが、この“良さ”に気づく人が増えてきたといえます。

実際私も、数年前にゴールデンエリプスを見たとき、「まだ現行品として残っているのか?」と疑問だったぐらい“理解不能なモデル”と思っていました。ただ、見ているうちに、だんだんとその魅力に気づいていきます。そして、2017年11月に当時現行だった3738/100J-012を購入したのです。

その際の購入額は、129万8000円だったのですが、これはこの世代の自動巻モデルとしては「安め」。一方、ゴールデンエリプスとしては「割高感あり」といった感じでした。

というのも、この青文字盤のゴールデンエリプスは、2017年において手巻きモデルであれば50万円台で購入可能だったからです。

また、自動巻についても古い個体は安価な傾向。この3738/100Jは、1977年デビューのモデルであるため、探せば110万円程度で購入できたといえます。

ですから、3738/100J-012130万円程度といった金額で買うのは「割高感」があったわけです。

では、そんな3738/100J-012は今、どういった評価になっているか。

その答えは、約379万円。現行時の定価超えとなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年11月
の安値
2024年8月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ゴールデンエリプス
3738/100J-012
中古 6年
9ヶ月
¥1,298,000 ¥3,798,000 2,500,000 292.60%

ゴールデンエリプスは、2018年にモデルチェンジを実施。

その時、3738/100系が全て生産終了になり、それ以降、「エクストラジャンボ」のみの展開となっています。

また、『青文字盤+YG』というカラーリングも、2018年の生産終了タイミングで廃盤。

この配色は、ノーチラスの青文字盤のようなエリプスを代表するカラーリングであるのですが、その最も新しい存在がこの3738/100J-012なのです。

ちなみに、3738/100J-012は2005年デビューでありますが、その時同時に出たRGとWGとは異なり、YGは文字盤プレートがK18となっているのがツボであります。

ただ、現行当時の人気度はRGやWGのほうが高く、このYGの3738/100J-012は、最も不人気だったといえます。

というのも、先に述べたように、3738/100Jは1977年デビュー。RGとYGは、カラーリングが一新されている一方、3738/100J-012は1977年モデルと見た目がほぼ同じ。古いモデルとの『差』が分かりづらいのです。

しかし、エリプスファンになってしまえば、2005年より前の3738/100Jと、3738/100J-012の“わずかな差”が重要になってくるのです。

ですから私は、2017年にあえて3738/100J-012を購入したのですが、現在の3738/100J-012の評価を見ると、やはりこのモデルは価値があると感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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