腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

評価されるようになった日本限定モデル、カラトラバ3718A

2024年9月7日更新
パテックフィリップのカラトラバ3718Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年9月の安値と2024年9月の安値を比較し現在相場を考察。この7年0ヶ月での変動は¥1,888,160だった。

カラトラバ グレー文字盤 3718Aについての考察(2024年9月)

パテックフィリップの日本代理店が一新時計だった時代、様々な日本限定モデルが登場しましたが、それら日本限定モデルは今では“高い評価”となっている傾向があります。

日本限定モデルはカラトラバが多いですが、数年前までカラトラバ自体の値動きが活発ではありませんでした。そのため、以前は「日本限定パテックで値動きするのは青アクアノートぐらい」といった印象があったのです。

また、その青アクアノートをもってしても、2010年代前半頃までの評価は通常の5055A-001とほぼ同じ相場といった状態がみられたほど。

ですから日本限定パテックは、“日本限定”という希少性が評価されていなかった時期があるのです。

しかし、ある時期を境目に日本限定パテックは一気に評価。今では、カラトラバをもってしても、かつてでは考えられないぐらいの高い評価となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年9月
の安値
2024年9月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
グレー文字盤
3718A
中古 7年
0ヶ月
¥969,840 ¥2,858,000 1,888,160 294.69%

この3718Aは、リファレンスの「A」が示す通り、ステンレスのカラトラバであります。

ステンレスのパテックフィリップは、それ自体が珍しいわけですが、特にこの世代の手巻きモデルのSSは日本限定モデルぐらいしかないのでは、といったぐらいの珍しさであります。

それでいて、この3718Aのグレー文字盤は、カラトラバとしては「モダン」な印象で、今でも新鮮さを感じる色味だといえます。

そういった見た目であるにも関わらず、3718Aはに3000型番世代の手巻きモデルというクラシック要素が存在。この意外性と希少性がたまらない1本だといえます。

そんな3718Aグレー文字盤でありますが、前回お伝えした2017年9月時点では約96万円といった水準。他の3000型番世代の手巻きモデルと対して変わりない水準だったのです。

それが今や、3718Aグレー文字盤は約285万円といった水準にまで上昇。この7年での上昇額は実に約188万円となるわけですが、こういった値動きをした結果、3718Aは他の同世代モデルよりも「かなり高い価格帯」へと変貌したのです。

現在、3000型番の手巻きカラトラバは、3796R-001約176万円~といった状況ですが、この3718Aはそれに対して約100万円高値であります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。