パテックフィリップの日本代理店が一新時計だった時代、様々な日本限定モデルが登場しましたが、それら日本限定モデルは今では“高い評価”となっている傾向があります。
日本限定モデルはカラトラバが多いですが、数年前までカラトラバ自体の値動きが活発ではありませんでした。そのため、以前は「日本限定パテックで値動きするのは青アクアノートぐらい」といった印象があったのです。
また、その青アクアノートをもってしても、2010年代前半頃までの評価は通常の5055A-001とほぼ同じ相場といった状態がみられたほど。
ですから日本限定パテックは、“日本限定”という希少性が評価されていなかった時期があるのです。
しかし、ある時期を境目に日本限定パテックは一気に評価。今では、カラトラバをもってしても、かつてでは考えられないぐらいの高い評価となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値 |
2024年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ グレー文字盤 3718A |
中古 | 7年 0ヶ月 |
¥969,840 | ¥2,858,000 | 1,888,160 | 294.69% |
この3718Aは、リファレンスの「A」が示す通り、ステンレスのカラトラバであります。
ステンレスのパテックフィリップは、それ自体が珍しいわけですが、特にこの世代の手巻きモデルのSSは日本限定モデルぐらいしかないのでは、といったぐらいの珍しさであります。
それでいて、この3718Aのグレー文字盤は、カラトラバとしては「モダン」な印象で、今でも新鮮さを感じる色味だといえます。
そういった見た目であるにも関わらず、3718Aはに3000型番世代の手巻きモデルというクラシック要素が存在。この意外性と希少性がたまらない1本だといえます。
そんな3718Aグレー文字盤でありますが、前回お伝えした2017年9月時点では約96万円といった水準。他の3000型番世代の手巻きモデルと対して変わりない水準だったのです。
それが今や、3718Aグレー文字盤は約285万円といった水準にまで上昇。この7年での上昇額は実に約188万円となるわけですが、こういった値動きをした結果、3718Aは他の同世代モデルよりも「かなり高い価格帯」へと変貌したのです。
現在、3000型番の手巻きカラトラバは、3796R-001が約176万円~といった状況ですが、この3718Aはそれに対して約100万円高値であります。