フレデリックピゲベースのムーブメントを搭載するパシャ38mmは、上級モデルという位置づけにもかかわらず、2021年春頃まで30万円を切る状態が珍しくありませんでした。
一時期は、フレデリックピゲ搭載モデルの中古相場として最安値ということもあったぐらい、安価な相場となっていた経緯があります。
しかし、2021年から反応するするようになり、SSブレスレットモデルのW31030H3は5月時点で約32万円に上昇。ただ、それは「2016年4月水準並に回復」といった価格だったのです。
ただ、その後もW31030H3の勢いは継続し、2022年4月には約37万円、11月には約54万円という水準に達しました。
これは、W31030H3の中古相場としては過去最高値状態。かなり評価されるようになったといえます。
しかしながら、それから今にかけてW31030H3の値動きはあまり変わらず、現在でも2年前と同じような相場といった傾向が続いています。
さて、今回取り上げるのは、同じパシャ38mmクロノグラフでも『コンビモデル』のほう。パシャ38mmのコンビモデルは、以前からSSモデルよりも高い相場となっている傾向がありますが、クロノグラフについては2023年9月時点で約63万円となっていました。
そして今、コンビのW31036T6はなんと約80万円という水準にまで上昇。
SSモデルは、2022年から2年近く目立った値動きが見られないのですが、コンビモデルについては、この1年で16万円の値上がりという動きが見られるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年9月 の安値 |
2024年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W31036T6 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥638,000 | ¥800,800 | 162,800 | 125.52% |
パシャ38mmのコンビがこういった値動きをしたというのは、近頃、以前よりも「コンビが評価されている」ということが影響したのではないかと推測できます。
コンビモデルは、これまで「あまり評価が高くない」という印象がありましたが、筆者の感覚としては、それがやや変わっていると思うのです。
そして、こういったパシャ38mmクロノグラフのような華やかなモデルでは、特にコンビの良さが際立つわけで、それが評価の高さにつながっていると考えることができます。