2000年前後の腕時計ブーム真っ只中の頃において、スピードマスタープロフェッショナルと同じようによく見る存在だったこのモデル。
パッと見た感じは通常のスピードマスターにも似ていますし、ブロードアローの黒文字盤にも見えるこのモデル。
しかし、1stレプリカという名前の通り1950年代に出たモデルの復刻版です。
この頃復刻モデルというのが1つのブームだったようで、ホイヤーカレラの1964年復刻版もほぼ同じ時期に登場しています。
ただ、カレラは当時のタグホイヤーのラインナップで異色だったのに対し、このスピードマスターは通常モデルと似ていたため、インパクトは弱めのモデルでした。
インパクトが弱めという原因は、このモデルが問題なのではなく、長らく形を変えずに造り続けているスピードマスターの良い点が、逆に復刻モデルを目立たなくしたというということに作用したに過ぎません。
しかし、アップライドの旧型ロゴなど、よく見れば“特別感”のある箇所があり、なかなか良さを感じさせるモデルです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 1stレプリカ 3594.50 |
中古 | 4年 8ヶ月 |
¥138,000 | ¥235,980 | 97,980 | 171.00% |
約10万円という値上がり額ですが、実はこの1stモデルに限ったことではなく、通常の手巻きプロフェッショナルも同じ時期の比較で似たような値上がり状態。
つまり、相場が安い時期においても通常のプロフェッショナルと似たような価格。
そして、今の相場でも両者は似たような値段で売られています。
よって、少し希少な“復刻版”であるのにもかかわらず、どの時期においても通常のプロフェッショナルと連動するように相場が変化しているのです。
中身は同じくレマニアベースの手巻きムーブメント「1861」を搭載。
文字盤以外にこれといって目立った変化はありませんが、文字盤から感じる“ちょっと違った感じ”は所有満足感が高そうです。
特に、スピードマスタープロフェッショナルの場合、かなりの量が流通している時計。最近では、新品がAmazonプライムで翌日届くほどポピュラーすぎる腕時計です。
スピードマスターは確かに魅力的な時計ですが、このように普及しすぎているという短所が存在します。
そんな中、他人と被らないこの1stレプリカを同じ価格で買うことができるというのはとても魅力的だと思います。
ちなみにこのモデル、「レプリカ」と記載されているため、かつては“ニセモノ”と勘違いされたこともありました。2000年代前半のヤフーオークションには「レプリカ」という名称で多くの“ニセモノ”が売られていたため、レプリカ=コピー商品というイメージが強かったのです。
しかし、本来レプリカは復刻版を意味する言葉。
ヤフオクにコピー商品が減った今、やっとレプリカ=復刻版と認識が一般化されたように思います。