腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

ブランパントリロジーGMT、実はオーバーシーズのライバルだった存在

2016年12月18日更新
ブランパンのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2013年6月の安値(ヤフオク)と2015年10月の安値(ヤフオク)を比較し現在相場を考察。この2年4ヶ月での変動は¥162,000だった。

トリロジーGMTについての考察(2015年10月)

最近値上がり中のトリロジーGMT。同じシリーズの3針モデルも同じように最近高値傾向です。

このシリーズの最高級のポジションにはクロノグラフのエアコマンドがありますが、かつてエアコマンドとだいぶ価格差があったトリロジーGMTは、最近ほぼ似たような相場となっています。

エアコマンドは2013年頃と比べて値下がり状態なのですが、トリロジーGMTはなんと15万円以上も値上がりしているのです。

ブランパン(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2013年6月
の安値(ヤフオク)
2015年10月
の安値(ヤフオク)
変動額 残価率
ブランパン
トリロジーGMT
中古 2年
4ヶ月
¥288,000 ¥450,000 162,000 156.25%

このトリロジーGMT、少々マニアックな時計のため実売価格にはばらつきがありそうですが、昨年の相場はきっちりと45万円という数値を表しています。

とはいえ、最近は35万円前後の場合もあるため、45万円で安定しているというわけではありません。ただし、仮に35万円だとしても2013年と比較して値上がり状況なことに変わりはありません。

ですからこの時計、きちんと値上がり時計として成立しているのです。

なお、現在価格の46万8000円という価格ですが、これは2000年代前半の新品実売価格に相当します。

当時もトリロジーGMTは比較的マニアックな存在でしたが、それでも新宿の売り場面積が大きい時計屋さんに行くと新品の実物を見ることができました。

ですから、その頃新品でトリロジーGMTを買ったとしても、マイナスが少ない状態で楽しめたということになります。

また、このトリロジーGMT、ブランパンというスウォッチの高級ブランドというだけあって定価は100万円以上です。

ブレスレットなどの仕上げにも定評があるトリロジーはまさしく100万円クラスの仕上げ。

この時計、仕上げや定価、そしてブランパンというブランドを加味すると、実はオーバーシーズなど三雲スポーツウォッチのライバルとして設計されていたということに気づきます。

現在、ブランパンのこのシリーズを見てもオーバーシーズアクアノートに近いと思う方はあまりいないでしょうが、当時のアクアノートオーバーシーズの実売価格と定価等々を比べると、実はライバルに近いのです。

ただし、当時新品が80万円台だったアクアノート60万円台ぐらいだったオーバーシーズに比べて、40万円台というトリロジーロレックスと三雲ブランドの中間的な価格でした。

新品当時の印象としては、中間的な価格でありながら、100万円以上という定価と時計の品質が40万円台で手に入るというお買い得時計だったのです。

そして、そのお買い得さは、購入価格だけでなく、買った値段と中古相場が15年以上経過した現在でも変わらないという良さがあるのです。

ただし、当時これより安いサブマリーナを買っていたら、今頃購入価格より値上がり状態だったので、そちらのほうが投資対象としては優秀。

しかし、ロレックスを数多く持っている方が、たまには違うものを買ってみよう、と思った場合、このトリロジーGMTは、値下がりしないという点でも良い腕時計を楽しめるという点でもかなり良い1本だったのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。