最近値上がり中のトリロジーGMT。同じシリーズの3針モデルも同じように最近高値傾向です。
このシリーズの最高級のポジションにはクロノグラフのエアコマンドがありますが、かつてエアコマンドとだいぶ価格差があったトリロジーGMTは、最近ほぼ似たような相場となっています。
エアコマンドは2013年頃と比べて値下がり状態なのですが、トリロジーGMTはなんと15万円以上も値上がりしているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年6月 の安値(ヤフオク) |
2015年10月 の安値(ヤフオク) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブランパン
トリロジーGMT |
中古 | 2年 4ヶ月 |
¥288,000 | ¥450,000 | 162,000 | 156.25% |
このトリロジーGMT、少々マニアックな時計のため実売価格にはばらつきがありそうですが、昨年の相場はきっちりと45万円という数値を表しています。
とはいえ、最近は35万円前後の場合もあるため、45万円で安定しているというわけではありません。ただし、仮に35万円だとしても2013年と比較して値上がり状況なことに変わりはありません。
ですからこの時計、きちんと値上がり時計として成立しているのです。
なお、現在価格の46万8000円という価格ですが、これは2000年代前半の新品実売価格に相当します。
当時もトリロジーGMTは比較的マニアックな存在でしたが、それでも新宿の売り場面積が大きい時計屋さんに行くと新品の実物を見ることができました。
ですから、その頃新品でトリロジーGMTを買ったとしても、マイナスが少ない状態で楽しめたということになります。
また、このトリロジーGMT、ブランパンというスウォッチの高級ブランドというだけあって定価は100万円以上です。
ブレスレットなどの仕上げにも定評があるトリロジーはまさしく100万円クラスの仕上げ。
この時計、仕上げや定価、そしてブランパンというブランドを加味すると、実はオーバーシーズなど三雲スポーツウォッチのライバルとして設計されていたということに気づきます。
現在、ブランパンのこのシリーズを見てもオーバーシーズやアクアノートに近いと思う方はあまりいないでしょうが、当時のアクアノートやオーバーシーズの実売価格と定価等々を比べると、実はライバルに近いのです。
ただし、当時新品が80万円台だったアクアノートと60万円台ぐらいだったオーバーシーズに比べて、40万円台というトリロジーはロレックスと三雲ブランドの中間的な価格でした。
新品当時の印象としては、中間的な価格でありながら、100万円以上という定価と時計の品質が40万円台で手に入るというお買い得時計だったのです。
そして、そのお買い得さは、購入価格だけでなく、買った値段と中古相場が15年以上経過した現在でも変わらないという良さがあるのです。
ただし、当時これより安いサブマリーナを買っていたら、今頃購入価格より値上がり状態だったので、そちらのほうが投資対象としては優秀。
しかし、ロレックスを数多く持っている方が、たまには違うものを買ってみよう、と思った場合、このトリロジーGMTは、値下がりしないという点でも良い腕時計を楽しめるという点でもかなり良い1本だったのです。