2000年代中盤頃まで現行モデルとして販売されていたスピードマスターのトリプルカレンダー。
このトリプルカレンダーにはいくつかの文字盤色がありますが、筆者は特に銀文字盤が好きであります。
なお、これが現行だったときのスピードマスターのラインナップは、「オートマチック」、「デイト」、「トリプルカレンダー」、「プロフェッショナル」、「ブロードアロー」の5種類が基本でした。
「オートマチック」はエントリーを担った存在で、ETA2892ベースのムーブメント、「デイト」と「トリプルカレンダー」はバルジュー(ETA)7750ベース、「プロフェッショナル」はレマニアの手巻き、「ブロードアロー」にはフレデリックピゲベースの自動巻ムーブメントが採用されていました。
通常であれば、手巻きよりもオートマチックが高級、もしくはその逆といった“わかりやすい序列”となるわけですが、この時代のオメガは搭載するベースムーブメントによって序列が決まっていたため、エントリーでも最高峰でも自動巻、上から2番目のムーンウォッチは手巻きといった分かりづらさがあったといえます。
前回、この銀文字盤のトリプルカレンダー、3523.30を取り上げたのは2021年1月ですが、その際は約15万円といった状態でした。
さて、オメガは2021年から現在にかけて、こういった世代のモデルが軒並み上昇した経緯がありますが、今の感覚で3523.30の15万円という価格を見ると「安い!」と思えてしまいます。
では、3523.30の現在水準はどうなっているかというと、その答えは約23万円(ABランク以上のボトム価格)。
やはり、他のオメガ同様「値上がりしてる」様子が見られます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2024年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター 3523.30 |
中古 | 3年 10ヶ月 |
¥158,000 | ¥238,960 | 80,960 | 151.24% |
2021年1月から2024年11月現在までの3年10ヶ月で、この3523.30は約8万円の上昇という値動きでありますが、これは残価率にすると約151%といった数値であります。
つまり、3523.30は1.5倍という伸びになっているわけですから、結構な上昇をしたといえるわけです。
ちなみに、同じ世代の「デイト」の銀文字盤(3513.30)は約19万円といった状態。
トリプルカレンダーよりもやや安価となっているわけですが、こういった価格差は、これらモデルが現行だった25年前から変わらないといえます。
メカニズムとしては、トリプルカレンダーのほうが複雑に感じるため、相場が高いのかと思いきや実は「デイト」とそこまで変わらないというのが不思議だと思っているのですが、現在でもそこまで「差」はないといえる状態であります。