1970年代にデビューしてから長らく3針時計(2針も含め)のみのラインナップだったノーチラスに対して、かなり早い段階で複雑機構を搭載したロイヤルオーク。
最初の複雑機構モデルはなんと1981年にデビュー。
ノーチラスが初の複雑機構搭載モデルを出たのは2005年のこと。その際登場したのは3712/1Aです。この3712というモデルはすぐに生産終了となりましたが、その後でた5712は今でも現行というメジャーなモデルです。
その3712は、5054などでよく見かけるムーンフェイズとパワリザインジケーター搭載のプチコンモデル。
一方、ロイヤルオーク初の複雑機構モデルの内容はというとなんと永久カレンダーなのです。
そしてその後、オーデマピゲはロイヤルオークに様々なメカニズムを搭載したモデルを発売。
中でもこの、“世界初”の機能を誇るムーブメントを搭載したデュアルタイムはかなり力が入ったモデルです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年2月 の安値(ヤフオク) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オーデマピゲ
ロイヤルオーク デュアルタイム 25730ST |
中古 | 5年 10ヶ月 |
¥532,350 | ¥898,000 | 365,650 | 168.69% |
このロイヤルオークデュアルタイムが登場したのは1990年のこと。
左右非対称デザインといえば、先程のノーチラス5712やオーバーシーズのデュアルタイムがあり、三雲スポーツウォッチの定番デザインとなっていますが、もともとはこのモデルが最初です。
また、このデュアルタイムの機能、オーバーシーズやパシャ38mmでも見かける仕掛けですが、最初にこれを実装したのがオーデマピゲなのです。
そして、それをステンレスのスポーツウォッチであるロイヤルオークに最初に搭載したという点。
それは、90年代におけるパテックフィリップとオーデマピゲのスポーツウォッチに対する考え方の違いを表していると思います。
というのも、オーデマピゲは前途のように1980年代前半に永久カレンダーをロイヤルオークに搭載し、さらにそれはステンレススチール製という当時の常識としてはエポックメイキングなことを実施。
2000年代前半まで、高価格帯のモデルにステンレスは邪道という風潮がありましたが、今はノーチラスの年次カレンダーのステンレスモデルが人気なようにステンレスの高価格帯モデルが受け入れられています。
今でこそ常識となったステンレススポーツの高価格帯モデルですが、なんとオーデマピゲは1980年代前半ですでにそれを行っていたのです。
これはかなりな先駆者ですし、志高い思想がなければこんな前代未聞なことはやらないでしょう。
よって、オーデマピゲのロイヤルオークという時計に対する思いはかなり強いものがあると思います。
ちなみに、ロイヤルオークオフショアのほうも、90年代前半で41mmというサイズを展開するなど、パネライをきっかけとするデカアツブームの10年以上前からある先駆者です。
デュアルタイム時計先駆者のこのロイヤルオーク、オーバーシーズのデュアルタイムと違うのは、第二時刻を表示するインダイヤルに時針だけでなく分針も付いている点。
メインの分針と連動して動く小さな分針があるというのは非常にぐっと来ますし、日本対インドのように30分単位の時差にも便利な機能です。
このロイヤルオークのデュアルタイム、一見すると他の時計と大きな差が無いようにも思えますが、実はかなり凝ったモデルなのです。