デイトナのアイスブルー文字盤搭載モデルとして116506が出たのは2013年のこと。
アイスブルー文字盤といえば、2000年に出たデイデイトでおなじみのプラチナ専用色ですが、その文字盤を搭載しているということはこのデイトナがプラチナであるということを最も分かりやすく説明しています。
これまでのプラチナロレックス
プラチナ、アイスブルー文字盤といえば、価値あるロレックスの要素として多くの人に認識されていましたが、それを選択できたのはデイデイトとチェリーニ、そして女性用デイトジャストのみだったのです。
ですから、そもそもロレックスにおいてスポーツモデルにプラチナモデルを出したことなんて無かったのです。
スポーツロレックスとして初のプラチナモデル
そして、その“プラチナモデルという特別なモノ”を世界中で人気のある強いモデル「デイトナ」に設定したのですから、116506はかなり“すごい”モデルとして多くの人のあこがれになったかと思います。
しかし、プラチナモデルはデイデイトだと300万円以上は平気でする代物。そして、デイトナとなればステンレスでも100万円以上は当たり前。
キャビアとトリュフとフォアグラが合わさったロッシーニステーキのように、価格が高い要素の組み合わせのこのモデルは、多くの人にとって「憧れる対象」でしかなく、到底手が届かない価格になることは目に見えていました。
このプラチナのデイトナ、日本国内の定価は730万円と非常に高価。
そもそもの定価が非常に高いわけですから、さすがにプレミア価格となることはありません。
では一体、中古だといくらぐらいが相場なのかというと、現状見る限り550万円前後といったところです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年9月 の安値(ヤフオク) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 116506 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥5,480,000 | ¥5,616,000 | 136,000 | 102.48% |
出た時期が2013年と最近かつその頃すでにロレックスが全体的に高くなり始めていた時期のため、このモデルの相場をつかむのは最近まで難しいように思えました。
しかし近頃、中古の流通が徐々に増えてきて、数が取引されるようになったため、やっと相場がつかみやすくなったのです。
そして出た結果が先程のように550万円前後という水準。
デイトナ+プラチナ+アイスブルーという組み合わせであれば、中古550万円というのはなんとなく理解できる数値です。
ちなみに、同じ価格で何が買えるかというとノーチラスのクロノグラフ(コンビモデル)といったところ。
価格だけ見ると高いと思ってしまいますが、相対的に見ると“なるほど”とも思います。
しかし、この価格帯になってくると、この時計を楽しめる人が限られるという悲しさがあります。
仮にこの時計が550万円で買って同じ額で売れるとしても、550万円分の現金を用意しなければならないため、購入するハードルはかなり高いと思います。
例えばステンレスのデイトナの場合、その価格は100万円ですから、頑張って貯金すればバイトの高校生でも買うことは可能でしょう。
確かにステンレスのデイトナも非常に高い高級時計として多くの人から憧れられる存在ですが、頑張ったら手が届く世界なのです。
一方このプラチナモデルの550万円という額は、高校生1年から大学3年ぐらいまでバイトして得たお金をすべて貯めるぐらいしないと集めることができません。都内在住、高校から大学までつながっている学校に在籍している人が高校1年の段階で、「あと5年ちょっと貯金してコレを買おう」と思わないと実現することはできません。しかし、そんな条件も環境も現実的ではありません。
かつて、キムタクがドラマの中でエクスプローラ(14270)を着けたことから、プレミア価格となったことがあります。
その際、多くの人がロレックスに注目しロレックスブームがおこったのですが、なぜそれが可能だったかというと数十万円という額だったからです。
そして、このプラチナのデイトナ、ロレックスブームのきっかけを作ったキムタクがまさにプライベートで着けている時計でもあるのですが、真似して買うのは困難です。
なお、バーインデックスがダイヤモンド仕様の116506Aは有名ユーチューバーのヒカキン氏が愛用。
通常、高級腕時計を着けていても、その選択をしたことに興味がいき、格好良ければ真似したくなったりします。しかし、この時計を着けている場合、『その選択をしたのだ』という参考にするより、単純に「稼いでるな」という印象になります。
通常文字盤とダイヤモンド仕様では、三つ目のフチが異なり、黒縁の116506に対してフチまでアイスブルーの116506A。
この両者、定価だとその差額は60万円程度なのですが、並行品の新品実売価格だと80万円もダイヤモンド文字盤のほうが高い状況です。
116506のほうはそこそこ中古が流通しているのですが、ダイヤモンドの116506Aのほうは中古がほぼ流通していません。
2013年に登場した通常文字盤ですが、ダイヤモンドの116506Aが登場したのは翌年2014年です。
2013年のデビュー当初はデイトナ初のプラチナモデル+アイスブルー文字盤ということでかなりインパクトが強かったでしょうから多くの人に買われたため、結果として中古流通が多いのかもしれません。
また、このぐらいの価格帯の時計をデビュー当初に買う人の行動として、翌年2014年にダイヤモンド文字盤が出たことから、そっちに買い替えた結果116506の中古流通が多いという現象が起こっているという可能性もあります。