1999年にデビューしたヨットマスターロレジウムは、高級モデルであるヨットマスター初のステンレスモデルとしてデビュー当時はプレミア価格になった存在です。
このモデル、ステンレスモデルに相当するのですが、高級モデルであるヨットマスターのイメージを崩すことなく“高級なステンレスモデル”という演出をするために、プラチナベゼルとプラチナを配合した文字盤を採用。
そして、その組み合わせを「ロレジウム」と呼んだのは、ロレックスの天才的なブランディング手法だと思います。
しかし近年、ヨットマスターシリーズはテコ入れされ、なんと「ロレジウム(116622のプラチナダイヤル)」は生産終了となったのです。
しかも金無垢モデルも廃止され、本来金無垢専用であったヨットマスターは、プラチナベゼルモデルも含めてコンビ専用モデルというなんとも半端な位置づけになっているのです。
そして、廃止となったロレジウム(16622)はどのような相場かというと、現在60万円を切っているという状況。
かつて青サブ(16613)よりだいぶ高かったロレジウム(16622)は、今となっては青サブより安いのです。
しかし今回注目するのは、ロレジウム(16622)全体ではなくA番です。
A番は1999年にデビューした時の初期ロットなのですが、「少し安い前期型」としてかつてはP番以降のモデルより若干安く売られた存在。
しかし、近頃ロレジウム(16622)の中で最安値なのはこのA番ではないのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年11月 の安値(ヤフオク) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスターロレジウム A番 16622 |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥468,000 | ¥618,000 | 150,000 | 132.05% |
A番が最低価格モデルでないという現象は、A番が高くなったということを意味するのではなくて、単にその他の品番と価格差がなくなったことだと思います。
しかし、A番、なんとなく今後人気になる匂いがするのです。
その理由は、A番の文字盤の「ROLEX」のフォント。
ロレジウムの文字盤には、実はいくつかの仕様が存在し、
- (A)文字盤上のROLEXのフォントが平べったくより明朝体的なモノ
- (B)フォントが(A)より上に伸びており、ROLEXの文字間が空き気味のモノ
また、(A)は文字盤下SWISS MADEの部分が詰まり気味なのに対して、(B)SWISSとMADEの間が空いています。
そして、上記文字盤タイプは同じ年式でも両方ある場合があったりするのですが、A番には(A)のタイプの文字盤しかありません。
しかも、若干、ROLEXのフォントが他の年式よりも華奢に見えて、美しくも見えるのです。
よって文字盤の美しさという見かたから、A番を選びたいと思わせてくれる要素が存在します。
また、A番こそ1999年にデビューした最、プレミア価格になった存在。
かつてプレミア価格になったモデルを安く楽しめるというのも魅力の1つだと思います。
ということでこのロレジウムのA番、同じような見た目のロレジウム(16622)の中でも特に魅力的なモデルとして、価値ある存在になるのではないかと期待しています。
特に筆者は、過去と比べて15万円以上値上がりしている今の状況において、かなりこのA番のロレジウムに惹かれます。