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現在相場考察

ダイヤモデルが2018年水準よりも安値、ルミノールPAM00031

2024年12月10日更新
オフィチーネパネライのルミノールPAM00031について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年6月の安値と2024年12月の安値を比較し現在相場を考察。この6年6ヶ月での変動は49万9000円の値下がりだった。

ルミノールマリーナ PAM00031についての考察(2024年12月)

パネライにとって「ダイヤ」という要素は、超特別といった位置づけになっており、そのどれもが「限定モデル」となっています。

ダイヤモンドがセットされたパネライは、リシュモングループ入りした初期の時代に設定されており、“文字盤がダイヤ”や“ベゼルがダイヤ”、またはその両方など、いくつかの展開がなされました。

特に分かりやすいのは、文字盤インデックスが全てダイヤとなっているモデルだといえ、44mmのルミノールだと30番などが有名だといえます。

現在、30番の売出しはないですが、130番(30番はバケットで、130番はドット)が多々出ており、そのボトム価格は207万円。130番の通常文字盤バージョンともいえる112番は、現在約44万円(ABランク以上のボトム価格)といったところであるため、ダイヤ文字盤は通常版に対して4.7倍もの価値となっているわけです。

そんなダイヤのパネライですが、今回取り上げるのは「ベゼルがダイヤ」というPAM00031であります。

これは、31番という型番の通り、リシュモン初期といえるパネライ。この手の型番といえば、A番といった「トリチウム世代」が該当するため、“高値”といった印象なります。

ちなみに、1番や2番といった初期リシュモン世代の場合、「トリチウム」と「ルミノバ」で大きく評価が異なります。

現在、1番のルミノバ個体は約48万円で売られているのですが、トリチウム個体はなんと128万円以上。それぐらい、トリチウムとルミノバで相場差があるわけです。

では、PAM00031は現在どういった水準かというと、約128万円といったところ。驚くことに、現在の相場は2018年6月よりも安価といった状態であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年6月
の安値
2024年12月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ
PAM00031
中古 6年
6ヶ月
¥1,780,000 ¥1,281,000 -499,000 71.97%

このところ、パネライは「久々に上昇」という様子を見せているケースが多いわけですが、そのような最中、この31番は2018年との比較でも「結構な値下がり」となっている状態です。

ダイヤのパネライといえば、「文字盤がダイヤ」というイメージがあるためなのか、ベゼルがダイヤというこの31番の注目度は、それと比べると低いのかもしれません。

とはいえ、3番といった同世代の手巻き44mmなどが値上がりしている中で、このスペシャルな31番が2018年水準よりも安価となるのは「お得感満載」という印象になります。

なお、この31番は1998年に40本限定でデビューしたモデルでありますが、文字盤の発光塗料はルミノバ。

同世代のPAM00001はB番、すなわち1999年モデルの途中までトリチウムとなっていたわけですから、もしも31番がトリチウムだったならば更に高値だったといえます。

また、ここで気付いたのは、現在の31番の約128万円という価格が、1番のトリチウム個体と全く同じという点。

ダイヤのパネライは、本来かなりレアなのでありますが、トリチウムの1番と「どちらにしようか」と迷える状態となっているのは、珍しいといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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