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現在相場考察

数値だけでは見えてこない変化がある、サブマリーナー16610

2024年12月16日更新
ロレックスのサブマリーナー16610について斉藤由貴生が執筆。本記事では2023年12月の安値と2024年12月の安値を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は0万1800円の値下がりだった。

サブマリーナー 16610についての考察(2024年12月)

5桁世代において、最もオーソドックスなスポーツモデルという存在感だったサブマリーナー16610

前回、この16610をお伝えしたのは2023年12月と、今から1年前となってしまいましたが、その際は約119万円となっていました。

では、現在水準はどうかというと、その答えは約119万円。

この1年で、“ほぼ変わっていない”状態でありますが、実は今、16610には数値だけでは見えてこない変化があるといえる部分があります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2023年12月
の安値
2024年12月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナー
16610
中古 1年
0ヶ月
¥1,199,800 ¥1,198,000 -1,800 99.85%

先のように16610は、現行時代において「最もオーソドックスなスポーツ系」という印象。非・スポーツ系で例えるなら、デイトジャスト16233シャンパン文字盤といえるような存在です。

そのため、数が多いのですが、中古相場では「ボトム付近にABランク未満個体が多い」という特徴がありました。

オーソドックスという様子を持つモデルは、高級腕時計入門という役目をすることがあるためか、不思議と中古でABランク未満個体がそれなりにあるということがあります。

例えばですが、16610と同じ世代のオメガのムーンウォッチである3570.50もABランク未満個体が昔から多い傾向。その一方で、新品時からそれなりに高かったといえるK18モデルなどでは、ABランク未満個体はめったに見かけません。

去年時点でも16610のボトム付近には、ABランク未満個体が多々あったため、16610のAB以上のボトムは119万円でも、16610全体のボトム価格は110万円程度となっていたのです。

つまり、2023年12月時点ではBCランクといった個体と、ABランク以上の個体との間に10万円ぐらいの差があったといえます。

しかし今、16610の様子は変化。

なんと、ボトム付近に、ABランク未満の個体がないのです。

ですから、記事で紹介しているこの個体は、まさに16610全体のボトム価格であるわけで、それがABランク以上となっている状態なのです。

これまで、16610を取り上げる際には、必ず「ABランク以上のボトム価格」と表記していましたが、筆者は2016年から記事を書いていて、初めてそれを必要としていません。

そしてもう1つ、16610に興味深い点があるのですが、それは、この個体ともう一つ(それも約119万円)を除くと、あとは120万円台後半といえる価格帯になっていることです。

ボトム価格同士の比較では、1年前⇒現在で「ほぼ変わっていない」といえる16610でありますが、3番目以降の個体を見ると、「勢いがある」と感じる部分があるのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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