オーヴァーシーズは、世代ごとにコンセプトが異なるといった傾向があります。
1996年に登場した第1世代では、文字盤が多々ラインナップされており、3針には2つの黒文字盤と白文字盤、青文字盤、サーモンピンク文字盤などが用意されていました。
ただ後に追加(1998年)されたクロノグラフは、銀文字盤と黒文字盤のみといったシンプルな展開。
そのためか、2004年にデビューした第2世代では、3針の文字盤展開も「白・黒」といったシンプルなものに変化。
第1世代の文字盤展開がロレックスで例えるならばデイトジャストのようだった一方、第2世代はエクスプローラー2のようになったといえます。
そして、2016年からの第3世代では、青文字盤をメインとした展開に変更。
第3世代が登場するまで、オーヴァーシーズにおいての「青文字盤」という要素は特に“人気”を意味するものではなかったのですが、第3世代からは「最も高値=青文字盤」となった経緯があります。
さて、第2世代には基本的に青文字盤が展開されていなかったのですが、3針には350本の限定で青文字盤が存在します。
ちなみに、第2世代においての「青文字盤」は、ブティック限定だったロイヤルオークの15400ST青文字盤のように“スペシャル感”を考慮したとは思えない内容。
というのも、350本限定の青文字盤は、ストラップが革ベルトが標準だったから。青文字盤にスペシャル感を持たせるために限定モデルとして投入したというよりは、変わり種モデルといった立ち位置だったと推定できます。
そんな第2世代のオーヴァーシーズでありますが、実はもう1つ、青文字盤が存在するのです。
そちらの青文字盤は、限定モデルではなく、標準ストラップがブレスレット。
それがこの49150/B01A-9745なのですが、これは第2世代のクロノグラフにおける青文字盤モデルであるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年4月 の安値 |
2024年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーヴァーシーズ 49150/B01A-9745 |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥5,332,800 | ¥3,355,000 | -1,977,800 | 62.91% |
これまで述べてきたように、第2世代のオーヴァーシーズは「白・黒」の2色展開といったイメージが強いため、青文字盤があったというのは意外性があります。
また、第2世代までのオーヴァーシーズクロノグラフには、「ビッグデイト」があるという特徴があります。
ですから、この49150/B01A-9745には、「青文字盤」という要素と「ビッグデイト」が備わっているわけです。
第1世代のクロノグラフモデルには青文字盤が展開されていませんでしたし、青文字盤が積極展開された第3世代からはクロノグラフのビッグデイトが廃止されています。
そういった意味で、この49150/B01A-9745は、往年のオーヴァーシーズクロノグラフモデルの特徴である「ビッグデイト」を持つ青文字盤という、ある意味希少性が高い組み合わせであるため、筆者としては魅力的に思うわけです。
そして、その現在相場はなんと約335万円といったところ。
「青文字盤のラグスポ」が330万円台で購入可能というのは、現在の基準としてかなり安いといえるため、何かとこの49150/B01A-9745は興味深いモデルだと筆者は思っています。