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現在相場考察

ファット4&ビッグスイス個体が安価に、サブマリーナー16610LV

2025年1月7日更新
ロレックスのサブマリーナー16610LVについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2023年2月の安値と2025年1月の安値を比較し現在相場を考察。この1年11ヶ月での変動は35万6200円の値下がりだった。

サブマリーナー 16610LV ファット4 ビッグスイスについての考察(2025年1月)

緑サブには、初代の16610LV、2代目の116610LV、そして現行の126610LVがありますが、これらを「安い順」に並べると、そのボトムに位置するのは初代、すなわち16610LVという傾向があります。

しかしながら、逆に「高い順」にすると、そこに位置するのも16610LV

つまり、16610LVは“最も安く購入できる緑サブ”である一方、“最も高い緑サブ”といった側面もあるのです。

こういった現象が16610LVに起こるのは、「ファット4 ビッグスイス」といった要素が理由。

116610LVや現行の126610LVの場合、年式等による仕様違いが少ない一方、16610LVには仕様違いが存在します。

16610LVの世代は大きく4つに分類でき、Mk1と呼ばれる初期個体は「ファット4」と「ビッグスイス」というレア要素を兼ね備えているのです。

(ファット4とビッグスイスの詳しい説明は、2017年の記事を参照)

「ファット4&ビッグスイス」個体の16610LVは、2012年頃から中古相場で評価されるようになった経緯があり、2017年7月に至っては通常個体に対して、約80万円高といった状態になっていました。

そして、その後も「ファット4&ビッグスイス」は通常個体に対して高値という状態が続き、現在でも「ファット&ビッグスイス個体」という観点では、“最も高い緑サブ”という位置になっている様子があります。
(注:ボトム価格の安い順が16610LV126610LV116610LV16610LVファット4&ビッグスイスという意味)

しかし今、そんな16610LVに異変が発生している様子があります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2023年2月
の安値
2025年1月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナー
16610LV
ファット4
ビッグスイス
中古 1年
11ヶ月
¥3,280,000 ¥2,923,800 -356,200 89.14%

現在、全ての緑サブを「高い順」に並べた際、そこに位置するのは116610LV(デッドストック品)であります。

116610LVは、緑サブの中でボトム価格が最も高い傾向があるのですが、これまで「高い順」のトップの座は16610LVに譲っていました。

それが現在では「高い順」のトップも116610LVとなっているため、現在の116610LVはまさに「緑サブの王様」といった状態なのです。

前回、16610LVの「ファット4&ビッグスイス」個体を取り上げたのは2023年2月でありますが、その際の、各緑サブの「最高値」は以下の通り。

  • 116610LV 約429万円
  • 16610LV 約487万円
  • それに対して現在は、

  • 116610LV 約432万円
  • 16610LV 約421万円
  • となっているように、16610LVが大きく値下がりしている様子があります。

    また、本記事の価格比較でも分かるように、「ファット4&ビッグスイス」個体のボトム価格についても2023年2月から現在にかけて値下がりしている様子があります。

    こういったことからも、「最も高い緑サブは16610LV」ということに変化が生じている印象になるかといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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