元祖「プレミアム価格モデル」といえる、エクスプローラーの14270。
1997年秋に放映されたドラマ「ラブジェネレーション」でキムタクが着用していたことから人気が出て、1999年頃の新品実勢価格は60万円台程度に達していました。
当時の定価は約34万円だったわけですから、1999年の相場は約2倍といったところ。当時は、「現行の高級腕時計がプレミアム価格」という現象は珍しかったため、60万円という相場は現在の感覚よりも、遥かに高く感じられました。
そんな14270でありますが、リーマンショック後に下落した結果、2008年秋以降の中古相場は約22万円といった程度に変化します。
その後、アベノミクス時から14270は上昇するわけですが、2015年、2016年といった時点での相場は約38万円。1999年の相場よりも高くなるということはありませんでした。
また、2010年代以降の14270の値動きは、他の同世代スポーツモデルと比べても「緩やか」で、30万円台⇒40万円台といった“価格ステージ変化”も、数年に1度といった頻度になっていたといえます。
そして、2021年6月には中古ボトム価格が70万円台に到達。この時点で、22年ぶりに「1999年の相場超え」となったわけです。
ただ、2021年以後は長らく70万円台というポジションをキープ。スポーツモデルの多くは、2022年2月頃に急上昇という動きをした経緯がありますが、その際、14270は特に反応していなかったのです。
そういった経緯があった14270でありますが、現在水準はなんと80万円台に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年6月 の安値 |
2025年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー 14270 |
中古 | 1年 8ヶ月 |
¥750,000 | ¥822,000 | 72,000 | 109.60% |
14270の現在ボトム価格は約82万円となっているのですが、これは前回記事でお伝えした2023年6月水準に対して約7万円の値上がりであります。
値動きは10万円未満といった規模である一方、14270の価格ステージ変化は2021年6月以来、3年8ヶ月ぶりであります。
14270は1999年に60万円という相場になっていたわけですが、その後、その相場超えとなるまでに22年かかった経緯があります。
1999年当時の様子を知る時計ファンは、「まさか14270が60万円超えになる日が来る」とは思わなかったことでしょう。実際、筆者も2015年時点で『約38万円』という相場だった14270を見て、60万円超えとなる臨場感は湧きませんでした。
しかし今、14270はなんと80万円台といった状態。
80万円台という現在相場からすると、「約60万円で購入可能」という状態が“安く”感じるでしょう。
ということは、14270は「1999年の相場が安価に感じる」という偉業を達成したといえるのです。