この時計、時計本体の部分はクオーツで、クロノグラフ機構が機械式という珍しい存在。
通常、クオーツの時計というと時計ファンから不人気な傾向がありますが、この時計はこの独特の機構ゆえ、「面白い」と感じさせてくれるのではないでしょうか。
スモールセコンドはクオーツ的な動きをするのに対して、クロノグラフ秒針は機械式時計そのもの。(動画は黒文字盤)
本体はクオーツで動くためネジを巻く手間もありませんし狂いも少ないため非常に便利。それでいて、機械式クロノグラフというメカ部分を備えているため、所有満足感を満たすという優れものです。
しかもこれ、JLC631というムーブメントなのですが、名前の通りジャガールクルト製。
ジャガールクルトといえば、パテックフィリップに匹敵する腕時計を造るマニュファクチュールとして、最近レベルソなど値上がり傾向な存在です。
そのジャガールクルト製ムーブメントを搭載し、メカクオーツという希少機構を採用し、なおかつ便利なIWCが、なんと2010年と比較して若干の値下がり傾向という状況です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年10月 の安値(ヤフオク) |
2016年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
GSTクロノ メカニカルクオーツ 白文字盤 IW372703 |
中古 | 6年 2ヶ月 |
¥195,000 | ¥181,000 | -14,000 | 92.82% |
IWCのGSTクロノ、ここ十年近く20万円台前半という中古相場が続いていましたが、近年は10万円台後半といったところ。
この相場ですと、オメガのクロノグラフ並という水準ですが、それらオメガの定価は20万円前後。
一方、このIWCの定価は50万円近くもするため、現在同じ相場のオメガと比べるとだいぶ高級な腕時計です。
オメガの場合、当時の定価と実売価格が安かったということと、流通量が多いということが重なって購入難易度が低かったため、程度の悪い個体が多い印象です。
しかし、GSTのメカクオーツの場合、定価が高いだけでなく存在自体がマニアックなため、時計マニアに購入される傾向があり、結果として程度の良い個体が多い傾向なのです。
よって、
- 10万円台という価格帯でも程度の良い個体が多く
- メカクオーツという珍しいムーブメントを採用
- 2010年と比べて値下がり状態
という3秒師揃ったこのIWCのGSTメカクオーツクロノグラフ、今なかなかお買い得な1本だと思います。
特に、複数本の時計をコレクションする方にとって、機能面から見た場合、変わり種時計としてなかなか良いポジションだと思います。
また、これ1本を普段使い用として使用頻度高く使うという場合でも、時計本体はクオーツで動くという点から便利かつ信頼性が高いというメリットが有ると思います。
いずれにしても、全体的に時計が高いという印象の中で、2010年と比較して値下がり状態なこの時計はお買い得なであることは間違いありません。