5桁や4桁世代においては、「サブマリーナーデイトよりもノンデイト相場のほうが高い」といった現象がありますが、6桁世代以降は「デイトのほうが高値」といった傾向があります。
定価では、“デイトのほうが高値”であるため、デイトが高値というのはあたり前といえば当たり前。とはいうものの、特に4桁といったヴィンテージ世代の相場や、そのシンプルな見た目から、ノンデイトは人気が高いという印象があります。
しかし、114060の場合、「デイトよりも安価」というだけではなく、セラミックベゼル最安値となっている場合もあるぐらい。
2017年頃までは、GMTマスター2の116710LNと“セラミック最安値”を競っていたといえますが、近年ではディープシーの黒文字盤と競っている状態です。
ですから114060は、そこまで不人気という印象がない反面、実は「最も安価に購入可能なセラミックベゼル」という側面があったといえます。
けれども今、そんな114060に異変が生じている様子があります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年10月 の安値 |
2025年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
サブマリーナー 114060 |
中古 | 1年 5ヶ月 |
¥1,480,000 | ¥1,604,900 | 124,900 | 108.44% |
現在、114060のボトム価格は約160万円となっているのですが、これは116610LNよりも“一応高値”といえる状態なのです。
現在、116610LNのボトム価格は約155万円、2番目に安価な個体は約167万円といった様子。一番安価な個体と比べると「ノンデイトのほうが高値」となります。
ただ、ボトム付近の個体を見る限り、114060は160万円台前半、116610LNは160万円台後半と読み取れるため、相場の動向としては、「6桁ノンデイトがデイト相場にかなり近づいた」といったところだと思います。
また、114060の現在相場は、2022年春水準にだいぶ近いといった状態でもあります。
2022年3月に記事で114060を取り上げた際、約165万円となっていたのですが、現在水準はそれに対して「5万円の差」であります。
そういった意味で、現在の114060は“116610LNに迫っている”、“2022年春水準並に回復”といった状態であるわけで、かなり活発化している状態だといえるでしょう。
ちなみに、セラミックベゼル最安値となっているディープシーの116660黒文字盤は、現在ボトム価格(ABランク以上)が149万円といったところ。
また、Bランクといった個体がいくつかあるため、それを含めるとボトム価格は約107万円、2番目に安価個体が約139万円となります。
ABランク以上といった観点でも、かろうじて140万円台で購入可能となっているディープシーに対して、この114060は現在160万円台となっているわけですから、「差をつけた」状態だといえるでしょう。