従来、ノーチラスは3針を基本とするシンプルなモデルのみの展開となっていましたが、2005年を皮切りに、コンプリケーションモデルが多数追加。
2005年に登場したのが“ムーンフェイズ&パワーリザーブインジケーター”。非スポーツ系でいう、5055等3兄弟で見る配置のコンプリケーションモデルです。
そして、2006年にはクロノグラフが追加され、2010年には年次カレンダーが投入。
非スポーツ系のモデルを見ると、相場は高い順に『クロノグラフ⇒年次カレンダー(小窓)⇒ムーンフェイズパワリザ⇒3針』となっているといえます。
しかしこの世代のノーチラスの現在相場を見ると、現在、各コンプリケーションモデルでも3針でも相場がほとんど変わらない様子ががあります。
実際、「青文字盤」という条件でみると、
と、いずれも1500万円前後といえる価格帯に位置しているのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年6月 の安値 |
2025年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5726/1A-014 |
中古 | 2年 9ヶ月 |
¥34,650,000 | ¥16,280,000 | -18,370,000 | 46.98% |
この5726/1A-014は2022年6月時点で3465万円となっていました。
2022年といえば、春に急上昇した経緯がありますが、その際の3針におけるピーク水準は2780万円であります。
ですから、その頃までは「3針と年次カレンダーとで大きな差」となっていたといえます。
その後、ノーチラスは値下がり傾向となるわけですが、2022年の12月時点で5726/1A-014は2000万円程度といった水準に位置。一方、同じ時期における3針水準は1600万円台といったところでした。
その時点でも、3針と年次カレンダーとの相場差は“それなりにあった”といえます。
では、いつから5726/1A-014が3針水準に近くなっていったのかというと、2023年の年末頃からだといえるでしょう。
その頃から、定期的に安価な5726/1A-014が出てくるという傾向が見られ、定期的に1500万円前後といった水準の個体が登場。
一方、3針については2022年下半期から、長らく1500万円前後という水準が続いているため、3針と5726/1A-014が同じような水準になるという条件がそろったわけです。
そして興味深いのは、冒頭でも触れた通り、現在クロノグラフ等を含めても、青文字盤ノーチラスは1500万円前後という範疇で購入可能となっている点です。
3針でも年次カレンダー(小窓)でも「どちらにしようか」といった状態になっている今、特に人気が高い「小窓タイプ」の年次カレンダーにお得感を感じます。