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現在相場考察

3針と年次カレンダーが比較対象といえる状態に、ノーチラス 5726/1A-014

2025年3月19日更新
パテックフィリップのノーチラス5726/1A-014について斉藤由貴生が執筆。本記事では2022年6月の安値と2025年3月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は1837万円の値下がりだった。

ノーチラス 5726/1A-014についての考察(2025年3月)

従来、ノーチラスは3針を基本とするシンプルなモデルのみの展開となっていましたが、2005年を皮切りに、コンプリケーションモデルが多数追加。

2005年に登場したのが“ムーンフェイズ&パワーリザーブインジケーター”。非スポーツ系でいう、5055等3兄弟で見る配置のコンプリケーションモデルです。

そして、2006年にはクロノグラフが追加され、2010年には年次カレンダーが投入。

非スポーツ系のモデルを見ると、相場は高い順に『クロノグラフ⇒年次カレンダー(小窓)⇒ムーンフェイズパワリザ⇒3針』となっているといえます。

しかしこの世代のノーチラスの現在相場を見ると、現在、各コンプリケーションモデルでも3針でも相場がほとんど変わらない様子ががあります。

実際、「青文字盤」という条件でみると、

  • 5711/1A-010(3針):14,300,000円~
  • 5712/1A-001(ムーンフェイズパワリザ):15,930,160円~
  • 5980/1A-001(クロノグラフ):15,954,400円~
  • 5726/1A-014(年次カレンダー):16,280,000円~
  • と、いずれも1500万円前後といえる価格帯に位置しているのです。

    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2022年6月
    の安値
    2025年3月
    の安値
    変動額 残価率
    パテックフィリップ
    ノーチラス
    5726/1A-014
    中古 2年
    9ヶ月
    ¥34,650,000 ¥16,280,000 -18,370,000 46.98%

    この5726/1A-014は2022年6月時点で3465万円となっていました。

    2022年といえば、春に急上昇した経緯がありますが、その際の3針におけるピーク水準は2780万円であります。

    ですから、その頃までは「3針と年次カレンダーとで大きな差」となっていたといえます。

    その後、ノーチラスは値下がり傾向となるわけですが、2022年の12月時点で5726/1A-014は2000万円程度といった水準に位置。一方、同じ時期における3針水準は1600万円台といったところでした。

    その時点でも、3針と年次カレンダーとの相場差は“それなりにあった”といえます。

    では、いつから5726/1A-014が3針水準に近くなっていったのかというと、2023年の年末頃からだといえるでしょう。

    その頃から、定期的に安価な5726/1A-014が出てくるという傾向が見られ、定期的に1500万円前後といった水準の個体が登場。

    一方、3針については2022年下半期から、長らく1500万円前後という水準が続いているため、3針と5726/1A-014が同じような水準になるという条件がそろったわけです。

    そして興味深いのは、冒頭でも触れた通り、現在クロノグラフ等を含めても、青文字盤ノーチラスは1500万円前後という範疇で購入可能となっている点です。

    3針でも年次カレンダー(小窓)でも「どちらにしようか」といった状態になっている今、特に人気が高い「小窓タイプ」の年次カレンダーにお得感を感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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