旧モデルとなった116520の前モデルである16520は最後の他社製ムーブメントであるエルプリ搭載というだけでなく、デザイン面からも人気の高いモデルです。
116520と同じく、白文字盤より黒文字盤のほうが高く、安いときでも80万円台後半という相場だったのがこの16520の黒文字盤。
安いときの相場を簡単にお伝えすると、
という感じ。
この4種類の中で最も高いというだけでなく、人気腕時計の王様的存在なのが16520の黒文字盤です。
ロレックスブームが起こった90年代後半、エクスプローラ(14270)とともにプレミア価格だったのがこのモデル。
定価30万円台のエクスプローラがプレミア価格時60万円台だったのに対して、定価60万円台で100万円以上の相場だったデイトナ黒文字盤。
プレミア価格だったエクスプローラは、2000年代後半になるまでには当時の定価を大幅に下回る中古相場となりましたが、その頃のデイトナは、依然として定価を上回る80万円台という中古相場でも安いと感じられました。
黒文字盤のデイトナは高い相場というだけでなく常に人気のモデルとして君臨し続けてきたモデルですから、何らかのきっかけによって反発する可能性があると思われたのです。
よって、当サイトでは2015年8月頃、当時2010年頃と比べて既に28万円の値上がり状態だったデイトナに対して「28万円の値上がりは弱い」とお伝えしました。
そして、その通り、今では2010年と比べて60万円以上の値上がりとなっています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年6月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 16520 |
中古 | 6年 7ヶ月 |
¥882,000 | ¥1,512,000 | 630,000 | 171.43% |
つまりこのデイトナ、2015年の8月から1年ちょっとで約35万円値上がりしたということです。
2015年といえば、腕時計が全体的に高くなっている時期でしたから、昔の相場を知る方にとっては「高い買い物」という印象だったかもしれません。
実際、この16520黒文字盤も28万円程度値上がりしてしまっていたわけですから、28万円余計に払う必要があるという印象になります。
仮に2010年に欲しいと思ってコツコツ貯金をしていた方がいたならば、欲しいと思った当時の価格に加えて現在のエアキング1本分の値段を追加する必要があるわけです。
まして、2010年当時、28万円でサブマリーナデイト(16610)が買えたため、より一層悔しさは増すはずです。
そして、デイトナを買うためにコツコツ貯めていたけれど、デイトナが高くなりすぎたので諦めて、他の時計を買ってしまおうという発想になったかもしれません。
しかし、その状態でもデイトナを買うというのが正解だったのです。
事実、28万円の値上がり状態だったデイトナは、その時点より35万円も高くなったわけです。
以前より、一回「高くなった」と思っても、その時点の“常識”を破る形で、それよりもっと高くなる腕時計の事例を紹介しました。
そして、それがまさしく超有名モデルのデイトナ黒文字盤で起こったのです。
これは非常に面白い事態だと思います。