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現在相場考察

廉価版という印象、オフィチーネパネライルミノールベースPAM00000

2017年1月18日更新
オフィチーネパネライのPAM00000について斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年11月の安値(ヤフオク)と2017年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この5年2ヶ月での変動は¥75,076だった。

ルミノールベース PAM00000についての考察(2017年1月)

PAM00000というリファレンスのこの時計、「0」番というリファレンスから一番最初に出たモデルかと思ってしまいそうですが、実は2004年に出たモデル

2004年というと初のステンレスラジオミール(通常モデルとして)であるブラックシールが登場した年でもあり、パネライ自体が変化しようとしていた時期でした。

PAM00000、文字盤に「OP」のロゴがあることから通称「ロゴあり」などと呼ばれますが、このモデルが出るまで「ロゴあり」といえばプレヴァンドームの個体(PAM00xxxリファレンス以前の5218-201A)しかなく、それは今も昔もべらぼうに高いという存在です。

その“幻”というべき「OP」ロゴを通常モデルとして再販した結果、それまで「特別」だった「ロゴあり」モデルは、至って普通の存在というポジションになったのです。

パネライが興味深いのはロゴありモデルの登場以降も、以前より存在するロゴが無い通常文字盤を生産終了しなかったところ。

もしもこれが、ロレックスであれば、ロゴありとロゴ無しの差別化を明白化することだと思います。

ロゴありが出たらロゴ無しモデルの生産を終了するというのは、普通に考えてありえることでしょう。

また生産終了しなかったとしても、例えばロゴありの流通量は極端に少なく、希少というイメージを維持するなどの工夫をするということが可能です。

そうすれば、以前よりあるPAM00000はプレミア価格となったでしょうし、その人気に影響されロゴ無しモデルの人気もそれまで以上に上がったことでしょう。

しかし、パネライの場合、ロゴありとロゴ無しの差別化は全くなされなかったのです。

その結果、このロゴありモデルは今ではパネライの中で最安値という状況。

2011年頃であれば、ロゴ無しのPAM00112と比べて若干高かったのですが、現在PAM00000PAM00112と同等か若干安いぐらいなのです。

オフィチーネパネライ ルミノール 44mm PAM00000¥423,016〜¥437,800(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年11月
の安値(ヤフオク)
2017年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールベース
PAM00000
中古 5年
2ヶ月
¥298,000 ¥373,076 75,076 125.19%

PAM00000とロゴ無しのPAM00112には1つ分かりやすい違いが存在します。

それは、PAM00112が裏スケ仕様なのに対してPAM00000が通常裏蓋という点。

PAM00000の人気があまり無い理由はここにあるのではないかと思います。

というのも、裏スケ仕様のPAM00112に対して裏スケでないというPAM00000はなんだか廉価モデルのように見えるのです。

とはいえ、同じく裏スケではないルミノールベースのPAM00002はそんなに安くありません

むしろ、PAM00112と比べて高いぐらいという相場。

では、なぜ同じく裏スケ仕様ではない黒文字盤のルミノールベースが一方は高くて一方は安いのでしょう。

それは、PAM00112が出たときにPAM00002が生産終了したからだと思います。

つまり、PAM00002の後継モデルがPAM00112であり、PAM00002プレA時代から存在する由緒あるモデルでもあります。

ですから、通常裏蓋のPAM00002と裏スケ仕様のPAM00112のキャラクターはハッキリ違うと分かります。

それに対して、前途のようにPAM00112と併行して販売されたPAM00000廉価版という印象になってしまったのです。

パネライは、OPロゴ時代の面影を残すために、あえてPAM00000を裏スケ仕様にしなかったのかもしれません。

しかしそれが、廉価モデルという印象を引き起こし、不人気要素となっているのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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