PAM00111といえばパネライを代表するモデルです。
時針、分針、9時位置のスモールセコンドというシンプルな組み合わせと独特のフォントの黒文字盤は、「パネライといったらコレ」というべきモデルでしょう。
実際このモデルこそ、パネライが「メイン」と考えている存在であり、それはリファレンスを見れば分かります。
PAM00111は2002年にモデルチェンジされたのですが、それ以前のモデルのリファレンスはPAM00001。
PAM00000というモデルもありますが、それは2004年に出た新しいモデルであるため、PreA時代からPAM00001として存在するこのモデルこそ、新生パネライの象徴的な腕時計なのです。
PAM00001からPAM00111にモデルチェンジされた際に何が変更になったのかというと裏蓋が“裏スケ”仕様になったという点です。
このモデルが登場する以前、パネライの「裏スケ仕様」というとゼニスのエルプリメロやエリートといったような「高級ムーブメント」が搭載された高級品にしか存在しなかった仕様です。
しかし、2002年以降、裏スケ仕様はパネライにとって当たり前のものとなりました。
裏スケのパネライって当たり前すぎて、特にツボ要素だと感じる人は少ないかもしれません。
また、パネライはどのモデルでも基本的に300m防水。
300m防水仕様って他社の腕時計であれば、ダイバーズウォッチのみに与えられる「特殊な性能」ですが、それを当たり前としているのがパネライです。
そして、300m防水で裏スケ仕様をサラッとやってのけているパネライ。
ここまで自然に存在していると“珍しい”という気持ちにはなりませんが、よく考えてみると「300m+裏スケ」ってとてもレアな仕様だと思います。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00111 |
中古 | 4年 9ヶ月 |
¥308,000 | ¥410,400 | 102,400 | 133.25% |
パネライの場合、付属品としてネジが付いてくるように「オーナー自らベルト交換して楽しんで下さい」という時計。
そのため、最近では標準装備のベルトが付いているケースが少ないのですが、この記事の個体はたまたま標準装備された茶色のカーフベルトが装着。
同じく黒文字盤でもルミノールベースだと黒革なのに対してマリーナだと茶色なのです。そしてそれは、前モデルであるPAM00001の時代から変わりません。
ルミノールマリーナの相場は、ベースより若干高いという印象であり、現在30万円台後半で購入可能なベースとは異なり、40万円以上という相場となっています。
とはいえ、実はパネライブームが起こった2002年頃、最も高かったモデルこそルミノールベースであり、このルミノールマリーナは2番目に高かったものの「オーソドックス」という印象でした。
そしてその後もパネライのオーソドックスとして長らく現行モデルであり続けたPAM00111。
現在は生産終了となりましたが、良き時代のパネライの象徴として、そろそろ価値を見出す人が増えてもおかしくないかと思います。