1969年に世界初のクオーツ腕時計として世界をあっといわせたセイコーの腕時計。
その際、登場したのは「クオーツアストロン35SQ」というモデルだったのですが、2000年に復刻されたのがこのモデルです。
現在、高級腕時計の常識では同じモデルにおいてクオーツと機械式の相場差が何十万円ということも珍しく無いほどクオーツの腕時計は人気がありません。
しかし、「世界初のクオーツ腕時計」という濃いキャラクターを有するモデルの復刻版という存在は、それとは例外です。
そして、それを日本が達成したということは日本人として非常に誇らしいことであり、日本でこそこのクオーツアストロンの復刻モデルが定価を遥かに上回るプレミア価格で取引されてもおかしくないでしょう。
と思いきやこの時計、今も昔も30万円台半ばという相場であり、価格変動の少ないモデルなのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年3月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
セイコー
クオーツアストロン 復刻モデル |
中古 | 3年 10ヶ月 |
¥328,000 | ¥365,100 | 37,100 | 111.31% |
世界初のクオーツモデルであり、豪華モデルでもあったクオーツアストロン。
今ではクオーツは当たり前ですが、デビュー当時は最も新しい技術であり、それ故高級モデルという存在になるのが自然だったのです。
そして、この復刻モデルのケースもイエローゴールドの金無垢という豪華な内容。
30万円台という額は金無垢腕時計としてかなり安い価格です。
そして他のセイコーのモデルには一見金無垢に見えても安価な金メッキバージョンがあるため、なんだか高そうに見えないのがこのクオーツアストロンの「金色」のマイナス点。
しかし、きちんと内容をチェックするとK18のケースであり、それが30万円台で手に入るということは「歴史的モデルの復刻版」という濃いキャラクターを抜きにしても安いと思うのです。
1969年に登場したオリジナルモデルのほうは、世界的に見ても歴史的なモデルですから、想像を絶する高い価格で取引されていそうな気がしますが、実はそちらも2010年において約50万円という価格。
つまり、クオーツアストロン、オリジナルも復刻モデルも、その濃いキャラクターとは裏腹にあまり高い価格で取引されていないのです。
30万円台で購入可能な腕時計の選択肢が少なくなってきた今、昔と相場が変わっていないクオーツアストロン復刻版はコレクションの1つとして良いポジションだと思います。