人気ロレックスの代名詞的存在だったエクスプローラ。
90年代後半より始まったロレックスブームの際、最も人気なのはこのモデルの前身である14270であり、新品中古問わずプレミア価格だったことは有名です。
そして2001年にこの114270にモデルチェンジするのですが、その変化はマイナーチェンジといって良い内容。
12470との差は、
1.ムーブメントがツインブリッジの新型になった
2.フラッシュフィットが一体型となった
という点です。
この変化内容、エアキングやサブマリーナであれば「元の型番+M」というリファレンスになっているため、エクスプローラだけが特別に新リファレンスとなっています。
そして、新リファレンスとなったエクスプローラは2001年当時、当然プレミア価格に。その頃の扱いは「新型」というものだったのですが、それから時を経て14270と114270はほぼ同じモデルという認識が一般的であり、現在では相場差もありません。
ただし、12470と114270にはモデルチェンジとは関係のない大きな差が存在します。
それは仕様違いが多いか否かという点。
14270には年式による仕様違いが多々あります。
1.シングルロックかダブルロック
2.文字盤下「SWISS」の表記
3.発光塗料の違い
4.ケース横の穴の有無
それに対して114270の仕様違いは、クリスタルのロレックスロゴ透かしの有無とルールレットの有無しかありません。しかもこの差はエクスプローラだけでなく、同じ時期に他のモデルにも実施された変更です。
よって、どの年式を選んでもほぼ同一というのが114270の良さなのです。
そしてこの114270、2014年と比べて7.6万円ほど値上がりしています。
2014年は既に全体的にロレックスが高いという印象の時期であり、実際エクスプローラも1年ちょっと前と比べて10万円近い値上がり状態でした。
よって、その頃既に「高い」という印象に変わりは無かったのですが、その「高い」と思った時期に買ったとしてもそこからさらに7万円以上の値上がりというのは嬉しいことだと思います。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年1月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラ 114270 |
中古 | 3年 0ヶ月 |
¥294,000 | ¥370,000 | 76,000 | 125.85% |
例えば14270の場合、かつて“安い個体はシングルロックの前期型モデル”だったりしたのですが、年式による差が激しくない114270は買いやすいと思います。
現在、14270において年式や仕様違いによる相場差はそこまでありません。
しかし、内容を知らないで買った人がいたならば、買った後に「ダブルロック」が良かったと思うこともあるでしょう。
もっとも、現在ではかつて不人気要素だった14270の前期モデルをあえて選ぶという方もいるでしょう。むしろ仕様違いがあるほうが面白いとされるのが、14270の良さの1つでもあります。
とはいえ、この軽くてちょうどよいサイズのエクスプローラを毎日普段使いするという用途で考える場合、より近代的な114270が重宝すると思います。
最近、一度このエクスプローラを売却したけれど、やっぱりもう一度買いたいと思う人が多いと感じます。
かつてプレミア価格のモデルとしてスポロレにおける価格帯の中で上位にいた114270。
そんな114270が今となっては、最も安く買えるスポロレなのです。
本来サラッと使うというキャラクターが合っているこの時計、かつてはGMTマスター2よりもサブマリーナデイトよりも高かったため、サラッと使うというより「ありがたい」時計という認識だったかもしれません。
しかし今では、気軽にサラッと使える腕時計として、相対的に良いポジションに相場が位置しています。
そしてもしも2014年に「高い」と思っても思い切って買っていたならば、今頃7万円以上の値上がりということになり、買って⇒使って⇒高くなるという醍醐味を味わえることになっているのです。
この現象がエクスプローラ114270という超有名モデルで起こっているというのは非常に嬉しいことだと思います。