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現在相場考察

2つの希少性が相まった、パネライルミノールマリーナ“レフティ”PAM00056

2017年1月27日更新
オフィチーネパネライのPAM00056について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年5月の安値(ヤフオク)と2017年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この7年8ヶ月での変動は¥103,800だった。

ルミノールマリーナ PAM00056についての考察(2017年1月)

左利きの人用パネライとしてリューズが左側についたこのモデルが登場したのは1998年とかなりパネライ初期の時代。

その際登場したのはステンレスモデルとPVDモデルの2種類です。

PVDモデルは98年と99年に作られた後、2000年にチタンモデルへと変化。

当時は、この“レフティ”に限らず全てのモデルにおいてPVD枠はチタンモデルとなったのです。

チタンモデルとなった際、変化したケースの色味に併せるためか文字盤も焦げ茶へとなりました。

その焦げ茶文字盤のチタンモデルの製造も2000年と2001年をもって終了。しかし、2002年に新型となったモデルは、このモデルを裏スケ化したモデルであるため実際の製造期間はとPVDより長いのです。

しかし、その裏スケ化されたPAM00117は2002年のたった1年の製造をもってすぐに生産終了。

ですからチタンバージョンの“レフティ”の製造期間も3年間とPVD並に短く、かなり希少なモデルなのです。

このモデルが現行だった当時、既にパネライが人気となりかけていましたが、チタンモデルに関してはあまりかっこよくないと評価され、その頃既に生産終了だったPVDモデルが高値状態。

しかし2010年頃よりかつては人気の無かったチタンモデルは人気となり、ステンレスより高い傾向となりました。

また、レフティに関しては希少性が高いということでどのモデルも基本的に高値傾向です。

今でもレフティ仕様のPAM00557がありますが、代表的なモデルであるシンプルなルミノールマリーナのレフティはチタンより長く生産されたステンレスでも2004年で生産終了しています。

その後もポツポツと数年おきに“レフティ”仕様が登場しましたがそれらは全て限定の特別モデルです。

ですから“レフティ”という事自体が希少。

よって、チタンとレフティ、2つの希少性が合わさったこのPAM00056は2009年というパネライが安い時期でも50万円以上というかなり高い相場をキープしていたのです。

オフィチーネパネライ ルミノール 44mm PAM00056(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年5月
の安値(ヤフオク)
2017年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ
PAM00056
中古 7年
8ヶ月
¥506,100 ¥609,900 103,800 120.51%

2009年当時、これと同じくシンプルなステンレスのマリーナやベースの白文字盤・黒文字盤などは30万円を切る価格というのも珍しくなく、25万円ぐらいで売られていることもしばしありました。

そのような時期においてこのPAM00056が50万円を超える価格というのはまさに、2倍高いという状況だったわけです。

しかしその後、ステンレスモデルはしっかりと値上がりをし、今では40万円前後という相場にまで回復しています。

PAM00056も値上がり状態ではありますが、かつての価格と比べると価格差が小さくなった両者。

ラジオミールの場合、高い金無垢を買ったほうが値上がり額が高かったということがありますが、この場合より高い方を買っても値上がり額は弱かったという事例です。

ちなみにこのモデル、あまりにも数が少ないため相場をつかむのが難しいので要注意。今のような状況下でも50万円台ということもあるため、相場がほぼ変わっていないとみたほうが良いかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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